An elliptic Calabi-Yau threefold of Mordell-Weil rank twelve
日本語要約
Mordell–Weil階数12をもつflat elliptic fibrationを備えた滑らかな射影Calabi–Yau三次元多様体を構成する。Hodge数は$(25,1)$であり、Weierstrass modelの射影的crepant resolutionと12本の独立なsectionを明示する。
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Algebraic Geometry
極小モデル理論(MMP), KLT多様体, Chern類, K-安定性, Fano多様体など
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Mordell–Weil階数12をもつflat elliptic fibrationを備えた滑らかな射影Calabi–Yau三次元多様体を構成する。Hodge数は$(25,1)$であり、Weierstrass modelの射影的crepant resolutionと12本の独立なsectionを明示する。
Frölicherスペクトル系列の第$r$ページを用いて、コンパクト複素多様体の$E_r$-Jacobian、$E_r$-AlbaneseトーラスおよびAlbanese写像を構成する。page-$(r-1)$-$\partial\bar\partial$多様体と$E_r$-sGG多様体に対する構造定理を与え、複素構造をもつ$S^6$への応用も導く。
有限体上の偶数次元Hermitian多様体について、最大全等方線形部分空間の交点形式をdual polar graphから明示し、Hodge型標準予想を表現論に頼らず証明する。さらに交点行列の$p$進elementary divisorを制御し、代数的サイクルの整係数生成に量的帰結を与える。
二面体群軌道と変形論的反射を用い、非常に一般の点で平面をblow-upして得る有理曲面上に無理数の一点Seshadri定数を無限系列として構成する。奇数$n\ge7$について具体的なample divisorと$\varepsilon(L_n;x)=\sqrt{L_n^2}$を与える。
曲線上の主束モジュライ空間に表現から付随するコホモロジー層の傾き安定性を、任意のample Cartier polarizationについて証明する。特に$\mathrm{SU}_C(n,L)$の接層は種数$g\ge2$で安定となり、特異なモジュライ空間も扱う。
Calabi–Yau多様体の双有理自己同型について、primitivityとZariski稠密軌道を普遍Coxeter群の作用から調べる。Wehler型多様体では無限位数の自己同型がprimitiveかつZariski稠密軌道をもつことを示し、Coxeter元の力学次数も明示する。
非可換Fano多様体と非可換minifoldを導入し、3次元の場合のfull exceptional collectionのEuler行列を分類する。mutation classはEuler degree $22,40,54,64,72$ の5つで、最後のclassは滑らかな射影3次元多様体では実現できない。
滑らかな射影トーリック多様体内の非分岐有理曲線族を法束の分裂型で層別化する。Cox構成から相対法束の明示的2項分解と相対コホモロジー射を作り、genericな分裂型、jumping locus、不均衡性の数値的十分条件を導く。
正標数の超特異既約symplectic多様体について、標数0への適切な持ち上げを仮定し、既知の変形型のChow motiveを決定する。これらの積に対して全次数の$\ell$進およびcrystalline cycle class mapの全射性を得る。
Teichmüller空間上で次数0のpolystable $\mathrm{SL}_r(\mathbb C)$-Higgs束を同時に動かすmarked analytic moduli spaceを研究する。stabilizerのorbit typeからcomplex Whitney stratificationを構成し、各stratum上の相対正則symplectic構造とfiberwise Poisson構造を得る。
偏極Calabi–Yau多様体の有限性へ至る道筋を、global $m$-Hessian capacityから非崩壊・距離幾何的compactness・代数的有界性へ接続する枠組みとして整理する。完全な有限性定理ではなく、capacity–perimeter評価と一様な射影埋め込みdataの導出を今後必要な主要ボトルネックとして明示する。
種数$g\ge3$の滑らかな非点付きsuper Riemann surfaceのmoduli superstackについて、両spin parity成分のprimary obstructionが代数的にも正則的にも非零であることを示す。従って両成分はnon-projectedかつnon-splitであり、種数3・4の未解決の場合も含めて閾値を確定する。
主偏極複素Abel多様体の族が定める重さ1のHodge構造変動に対し、対数正準モデル上のArakelov不等式を証明する。等号、対数余接層の対称冪の安定性、Higgs場の長さ条件から、周期写像像が $\mathcal A_g$ 内の全測地的複素球商であることを数値的に特徴づける。
単純正規交差をもつ一般の平面曲線 $B$ について、$\bar c_1^2-\bar c_2>0$ の領域で代数的例外集合が消えることを示し、$\mathbb P^2\setminus B$ のKobayashi双曲性を導く。特に二成分の場合、両次数が5以上、または次数が4と7以上なら成立する。
有理曲面の滑らかな射影族と全空間上の有効線束を構成し、中心ファイバー上の最小特異性をもつ半正曲率特異Hermite計量が近傍へ半正値に延長できないことを示す。中心ファイバーだけで三点が共線になる四点blow-upと、随伴切断の延長障害が反例を与える。
滑らかなDeligne–Mumford stack内の超曲面について、周囲のBott型消滅から自己同型群schemeの離散性を導くコホモロジー判定を与える。tame標数の重み付き射影超曲面や射影空間の積の超曲面へ適用し、Fanoの場合には有限性を得る。
$K_X+\Delta$ または境界 $\Delta$ がbigである射影klt対について、任意のMMPが有限回で停止することを証明する。極端射線関数の有限性、Mori fiber spaceの基底に対する次元帰納、逆向きMMPの一様制御を組み合わせ、高次元でMMP with scalingを越える完全停止を得る。
Viehwegの弱正値性が、Noether環上の準射影schemeでもtensor・対称・divided・外冪により保たれることを示す。弱平坦束を導入して非射影多様体へ数値的平坦束の理論を拡張し、S基本群schemeとDemailly–Peternell–Schneider型の特徴づけを構成する。
双対側が多様体ではなくスタックになるコンパクト化Prymファイブレーションへ、Fourier–Mukai変換による分解定理の枠組みを拡張する。良いコンパクト化Prymファイブレーションに対し、混合Hodge構造の同型、動機的分解、perverse filtrationの乗法性を同時に得る。
自己同型群の恒等成分が自明なコンパクトKähler多様体について、超越的Kähler類にcscK計量が存在することと一様K安定性が同値であると証明する。核心は任意のbig cohomology classに対するSpecial Kähler Fujita近似であり、体積だけでなく第一Riemann–Roch係数も高いモデル上のKähler類で近似する。
二つの二次超曲面の滑らかな完全交叉を束のモジュライとみなし、非零冪零Higgs場を許すwobbly因子の補集合の基本群を決定する。root stackとorbifold混合組紐群を介して一般次元の表示を与え、特に次数4 del Pezzo曲面では生成元10個・関係式25個が最小であることを示す。
標数2で $H^1(X,\mathcal O_X)\simeq k$ をもつ滑らかな射影Fano四次元多様体を明示的に構成する。この多様体にはfree rational curveがなく、separably uniruledでもないため、正標数の滑らかなFano多様体に関する既知の像を更新する。
tame Deligne–Mumford曲線のベクトル束moduli stack、および滑らかな曲線上のtwisted vector bundleのmoduli空間から、元の曲線やtwisting classを復元するTorelli定理を証明する。Picard stack・偏極Jacobian torsor・twisted Hitchin構成を使い、任意の基礎体や複数のrank・degree範囲を扱う。
射影自己写像の反復次数に現れる指数増大度だけでなく、周辺Jordan blockが担う多項式補正をHodge index型不等式で制御する。隣接する余次元の多項式指数に鋭い離散Laplacian上界を与え、零エントロピーの場合には混合軌道関数の準多項式性とKähler多様体のHodgeコホモロジー上の鋭い増大度評価を得る。
無限体上の射影的スタック曲線について、固定行列式・固定multiplicityを持つ生成層に関する半安定ベクトル束のモジュライスタックが $\mathbb A^1$-連結であることを示す。系として、滑らかな射影曲線上の固定放物型を持つ放物半安定束のモジュライにも同じ連結性を得る。
非零の被約境界が零次元非klt中心を含む正規安定曲面対について、体積の最小値が $1/42$ であることを示し、等号を達成する対を同型を除いて一意に分類する。さらに $1/42$ が正規安定曲面の体積集合の無限集積点であることを証明する。
正種数の滑らかな複素射影曲線に対し、$\mathrm{GL}(n)$ および $\mathrm{SL}(n)$ のDeligne–Hitchin twistor空間が有限型局所な複素schemeによる代数化を持たないことを示す。種数2以上では安定部分、したがって対応するHitchin twistor空間にも同じ結論が成り立つ。
標数0の滑らかな射影多様体で、反標準次数が正の曲線上の各点を通る有理曲線をジェットから構成し、Miyaoka–Mori判定法に代数的証明を与える。元の曲線類を、点に依存しない正係数を持つ有理曲線と有効サイクルへ数値分解し、その有理曲線の反標準次数を $\dim X+1$ 以下に抑える。
単連結性を仮定しないCalabi–Yau三次元多様体上で、安定かつ無限小剛体な接束の例と、半普遍変形空間が被約だが特異な多安定接束の例を構成する。前者はPeternellの提案した分類への三次元反例となり、後者の変形germは6変数内の九つの座標平面の和として明示される。
重み付き射影3空間の超曲面について、重み付き次数が重みの総和を上回る場合のtwisted/reflexive消滅を証明する一方、最小解消がbig余接束を持つ特異超曲面を構成する。同時解消を通じて、変形同値な滑らかな射影曲面の対称plurigenusが恒等的零から3次漸近増大へ跳ぶ例を得る。
曲線の複素構造も動かすmarked polystable $\mathrm{SL}_r(\mathbb C)$-Higgs束の普遍モジュライ空間を解析的に構成する。空間の正規性・Hausdorff性、局所二次錐商モデル、reduced解析基底上のcoarse moduli性を確立する。
滑らかな射影曲線と被約境界の対において、nilpotent留数を持つ対数平坦束と、次数0の半安定対数Higgs束の間に完全圏同値を構成する。多安定対象に対するtame Simpson–Mochizuki対応を、非半単純なiterated extensionへ拡張する。
複素次元 $n\geq3$ ごとに、単線織でありながら全てのKähler計量の全スカラー曲率が負となる滑らかな射影多様体を構成する。単線織性と正の全スカラー曲率をもつKähler計量の存在が同値だという予想への反例であり、Kähler計量と一般のRiemann計量の正スカラー曲率も分離する。
正標数の滑らかなFano三次元多様体が、$p>5$ でquasi-$F$-split、$p>11$ で $F$-splitとなることを示す。標数に依存するFrobenius特性をFano三次元幾何の全体にわたり統一的に保証する結果である。
トーリックFano多様体の反標準類のnef分解について、整数係数と有理係数で定まるGongyo指数の差を調べる。擬対称な場合に差の下界を証明して等号例を決定し、任意の正有理数が差として実現されることを示す。
正標数の一般型極小滑らかな射影曲面で $c_2(S)<0$ の場合に、自己同型群の位数を $K_S^2$ の多項式で明示的に評価する。負の第二Chern類という正標数特有の領域で、全自己同型群と可換部分群の双方に一様な上界を与える。
直線Grassmann多様体 $\mathbb G(1,n)$ の一般線形切断として得られる指数1 Fano多様体を、Pfaffian超曲面との双有理対応によって記述する。$n$ の奇偶に応じた双有理モデルを構成し、偶数の場合の単有理性や関連する次数 $n-1$ 超曲面の有理性も示す。
旗多様体とその等質ベクトル束の滑らかな零点集合について、種数0 Gromov--Witten不変量を根系データから計算する局所化形式を構成する。量子第一Chern類作用をHodge atomと結び、特定のFano四次元多様体の非有理性および有理な場合のK3曲面中心への制約を導く。
minimal log discrepancyの昇鎖条件を、有界な一般化sub-pairについて任意次元で証明する。さらに有界なlc三次元pairでは境界係数を任意の固定DCC集合から取れる形のACCを得て、flip停止問題に関わる既知の適用範囲を広げる。
滑らかな射影多様体の一般の $p$ 点を通る曲線族について、Kodaira次元が非負なら最小種数が次元に依存する鋭い線形下界をもつことを示す。一方、connecting gonalityは最終的に安定し、その値を有理連結多様体の有限被覆から支配されるという幾何で特徴付ける。
Picard数1の二つのCalabi–Yau三次元多様体族を幾何学的に対応させ、一般の対応する二者が非双有理でありながらHodge同値、$\mathbb L$-同値、導来同値になることを示す。数学的GLSMとvariation of GITを用い、Miuraが予想した非自明なFourier–Mukai partnerを構成する。
コンパクトKähler四次元多様体の変形族において、中心ファイバーの標準束がnefなら近傍の全ファイバーでもnefであることを示す。全空間がKählerであるとは仮定せず、Kähler四次元MMPの収縮理論を用いて標準束負の有理曲線の変形を制御する点が特徴である。
Grassmann多様体内の一般の非退化有理曲線について、normal bundleがbalancedにならない数値的例外を分類するCoskun–Larson–Vogt予想を $G(2,4)$、$G(2,5)$、$G(2,6)$ で証明する。退化、接束のsplitting、標数2に由来する既知の障害以外に例外がないことを確定する。
非常に豊富な偏極をもつCalabi–Yau三次元多様体について、第一ジェット束と接多様体からChern数・Hodge数の新しい一様境界を導く。特に $h^{1,1}-h^{2,1}$ の上下界を改善し、$\mathbb P^6$ 内では次数を39以下に絞るとともに、多重偏極の接入射写像が接多様体の正規化を与えることを示す。
自明な全equivariant Chern類とaffine独立なChern rootをもつrank $r$ のtoric vector bundleが、character twist後に次元高々 $r-1$ の有限個のtoric多様体のいずれかからのpullbackになることを示す。tropical toric bundleをBergman fanへのpiecewise linear mapとして扱い、permutohedronのflag decorationが作るfan coarseningを分類の核に用いる。
非常に一般の六次三次元超曲面$X_6\subset\mathbb P^4$が代数的双曲的であることを証明し、射影空間内の非常に一般の超曲面に対する分類の最後の未解決例を埋める。安定写像のモジュライとファイバー曲面の対数幾何をscroll構成に組み込み、曲線の種数を次数で一様に下から抑える。
滑らかな偏極多様体に対する一様$\widehat{\mathrm K}$多安定性と一様$\mathrm K^\beta$安定性を、cscK計量の存在を経由せず代数的に比較する。非Archimedes的エネルギーの方向微分に対する平方根型評価を用い、有限自己同型群の場合の同値性、還元版の同値性、安定性閾値の収束を導く。
Picard数1の非常に一般の偏極K3曲面上で、任意の非自明な有限位数Brauer類をエタール局所自明な射影空間束として具体化する。その束をねじれ層のモジュライ空間における超Kähler収縮の例外軌跡へ組み込み、次元も制御することで、既知の個別構成を統一しperiod-index定理の新しい証明を与える。
単位円板上の滑らかなKähler射で、一つのファイバーの標準束がnefなら全ファイバーでnefであることを任意次元で証明する。超越的nef閾値、収縮、極小有理曲線の変形を組み合わせ、Campana--Peternellの標準束非nef性の開性問題を解決する。
コンパクト超Kähler多様体から$\mathbb{CP}^n$へのLagrangian fibrationが余次元1で重複ファイバーを持たないことを示す。これは超平面の逆像の基本類が整数コホモロジーでprimitiveであることと結び付き、楕円K3曲面で知られた非重複性を高次元化する。
代数曲面上で安定層どうしの拡大が安定になる条件と、安定層の極大部分層が定める精密化Segre層別を研究する。射影平面では線束に対応する各層が期待次元の既約集合であり、その閉包が入れ子になることを証明する。
滑らかな射影超曲面上の任意の連接層について、自由分解の行列因子化からChern指標をČech cocycleおよびJacobian環の元として明示する。この計算法を代数的サイクルの探索に応用し、次数33のFermat四次元多様体に対するHodge予想を証明する。
滑らかな射影族上の等モノドロミー変形を非可換Hodge対応でHiggs束側へ移したとき、その正則性が持つ幾何学的帰結を調べる。正則な軌跡上で相対Higgs束を全空間へ絶対的に持ち上げ、スペクトル1形式のGauss--Manin平坦性を示し、冪零Higgs場が変形中も冪零に保たれるという予想を解決する。
任意標数の代数閉体上で、$\mathbb{Q}$-factorial性もログ標準性も仮定しないログ曲面のアバンダンスを証明する。固有全射 $X\to S$ に関して $K_X+\Delta$ が nef なら semiample であることを示し、MMP自体が走らない特異曲面にも結論が残ることを明らかにする。
Calabi--Yau退化の正則解析的torsionの主要漸近係数を消滅cycleのHodge理論的不変量で表し、BCOV不変量から双有理的smooth fillingへの計算可能な障害を構成する。孤立特異点では局所寄与をスペクトル分散とmonodromy由来のBernoulli和で記述し、ADEまたはterminal Brieskorn--Pham特異点を持つ退化にsmooth fillingがないことを導く。
ampleまたはnefベクトル束のSchur類に対する正値性を、射影束のコホモロジーを模した抽象的次数環へ拡張する。適切な錐に関してKähler packageを満たす射影束環からSchur類のHodge--Riemann型関係を導き、滑らかな射影多様体上でも新しい不等式とmatroidのSchur係数の非負性を得る。
射影klt対上の擬有効因子の組に対し、結合漸近乗数イデアルとlog canonical thresholdを導入し、結合pkltなら閾値を準単項付値が計算することを示す。pklt型多様体上では任意のbig因子の半豊富な正部分を持つ双有理Zariski分解、big因子の多重切断環の有限生成、Mori dream space判定を得る。
次数6以下のDel Pezzoオービフォールドと、既約境界を持つ高次のものが強Campana単線織かつCampana有理連結であることを示す。円錐束の曲線と球面的オービフォールド被覆を用い、これらを一般ファイバーに持つCampanaファイブレーションの全ての場所で弱近似を導く。
数体上の射影多様体にあるアデール的ベクトル束へ、射影化の普遍商直線束の交点数から数値的特性類を定義する。制御された算術模型の極限によりBogomolov--Gieseker型判別式の非負性を示し、曲線上ではDeligne pairingを用いて等号条件まで与える。
int-amplified自己準同型を持つ正規コンパクトKähler多様体の接層が弱正曲率を持ち、強い意味で擬有効となることを示す。kltの場合には準エタール被覆後の平坦なMRC fibrationを得て、一般の同変Kähler MMPに依存しない構造理論を与える。
nefなlog反標準因子を持つ射影klt対について、Albanese射と最大有理鎖連結fibrationが自己同型群の作用から斉次的に記述できることを示す。MRCC fibrationに自然な群準同型を付随させ、$\operatorname{Aut}^0$のChevalley分解をisogenyまで復元する。
一般化Grassmann多様体上の完全可約斉次ベクトル束の一般切断の零点として得られる、Picard数1・指数1のFano四次元多様体を分類する。Küchleの古典型Grassmann多様体における分類を非$A_n$型へ拡張し、既知でなかった三族を取り出すとともに体積とHodge数を計算する。
強い意味で擬有効な接層をもつ特異コンパクトKähler多様体の大域構造を調べる。商特異点の場合、有限quasi-étale被覆の後に、複素トーラスのétale商を底とし有理連結なklt射影多様体をファイバーとする平坦射が存在することを示す。
$\mathbb P^3$の次数18以上の一般曲面がKobayashi双曲的であることを示し、従来の「非常に一般」を真のZariski開条件へ強化する。2-jet微分が定める多重葉層の代数的葉にPoincaré型次数上界を与え、有理曲線・楕円曲線の不存在と整曲線の代数的退化を結びつける。
potentially kltなコンパクトKähler空間上で、第一Chern類が消える擬有効層は、有限準エタール被覆後に反射的引き戻しが局所自由かつ数値的平坦になることを示す。安定層に対するHermitian平坦性と、特異Kähler空間上の平坦束の拡大に関するSimpson型定理を組み合わせ、射影多様体で知られていた判定をKähler設定へ拡張する。
滑らかな射影多様体を固定し、klt境界を動かしたときにlog canonical modelの同型類が有限かを調べる。一般型または不正則な滑らかな射影曲面では有限性を示す一方、非極小曲面と標準因子が豊富な滑らかな三次元多様体に無限個のmodelを持つ反例を構成する。
任意標数の代数閉体上の滑らかな射影トーリック多様体について、接束が正階数の豊富な局所自由部分層を含めば射影空間であることを示す。同じ方法により、外積接束のコホモロジー非消滅から射影空間または低次元quadricを偏極込みで特徴づける。
コンパクトKähler多様体上の擬有効線束について、数値的次元で消滅範囲を測る対数的Bogomolov--Sommese定理を確立する。単純正規交差因子を許すこの結果から、対数余接束の第二Chern類消滅をnef性と対数標準束の低い数値的次元で特徴づける。
因子の非nef locusとrestricted base locusが一致するという予想を相対化し、標数0のDedekind scheme上の混標数族で証明する。混標数点にはBCM-regular type、等標数0の点にはklt typeという穏やかな特異性を仮定し、漸近test idealとBCM-regularityの摂動安定性を橋渡しに用いる。
すべての埋め込まれた射影多様体がUlrich層を持つかという問題に、滑らかな射影曲面の反例を与える。Picard数に依存しない数値的障害を導き、Hesse配置から得るHirzebruch--Kummer曲面上でその不等式に反する非常に豊富な偏極を構成することで、無限個の反例を得る。
孤立log canonical特異点をもつ3次元以上のCalabi–Yau型Kähler多様体とFano多様体について、半普遍変形の一般ファイバーでDu Bois不変量とlink不変量が消えることを示す。完全交差特異点や滑らかなKuranishi空間を仮定しない形で、既知の大域平滑化結果を一般化する。
well-formedかつquasismoothなFano 3次元重み付き完全交差について、双有理的剛性からK安定性が従うことを示す。特に符号2の18族に残っていた一般性仮定を外し、双有理的剛性とK安定性を結ぶ予想をこの分類全体で確認する。
滑らかな $n$ 次元射影多様体とample Cartier因子 $L$ に対し、随伴束 $K_X+mL$ が $m\geq\lceil1.77629\ldots n\rceil$ で大域生成されることを示す。最小log canonical centerの重複度を連続的に制御する新不等式により、Fujita自由性予想に初の次元線形な一般上界を与える。
$\mathbb P^3$ を楕円四次曲線に沿って吹き上げ、さらに例外因子のファイバーを吹き上げて得るPicard数3のFano三次元多様体族について、Kモジュライ空間を明示的なVGIT商として同定する。K半安定性とK安定性が一致し、許される退化を曲線と標点の幾何で完全に分類する。
Hartshorneが1966年に提起した豊富ベクトル束の二問題を解く。任意標数・非固有の場合にもテンソル積の豊富性を証明する一方、豊富線束の自己拡大は非固有曲面上で豊富とは限らないことを示す。
3次元終端 $cD_n,cE_6,cE_7,cE_8$ 特異点を非標準中心とする可動線形系の局所交点数に、型ごとの鋭い下界を与える。一般超平面切断と反転随伴でDu Val曲面特異点へ帰着し、有限被覆と滑らかな曲面上の不等式を通じて、$cD_n$ 点をもつFano 3次元重み付き超曲面の双有理剛性へ応用する。
$\mathbb Q$-factorial な $\epsilon$-lc 弱Fano多様体に対し、反標準体積を orbifold 第二Chern類で抑える川又–Miyaoka型不等式を示す。Picard数やFano指数への従来の制限を除き、canonical extension の不安定性と葉層を結びつける。
指定した基本群をもつ一般型曲面について、Chern勾配 $c_1^2/c_2$ が $[1/2,3]$ に稠密であることを示す。さらに標準束が豊富な場合にも $[1/2,2]$ で稠密性を確立し、積構成の標準束が豊富となるための完全な判定条件を与える。
滑らかな射影曲面上の直線束またはそのシフトがdivisorial Bridgeland安定性を失うことを、自己交点が負の有効Cartier因子から作る自然な部分対象が検出することを示す。さらにtwisted deformed Hermitian–Yang–Mills方程式に由来する数値的半安定性を、全整数スケールでのBridgeland安定性と同値にする。
hyperfujiki多様体について、BBF正値性とMoishezon性を結ぶ判定法を与える。4次元ではBBF平方が正の整 $(1,1)$-類の存在がMoishezon性と同値であり、族のMoishezon locusにも応用される。
log Fano錐特異点の局所delta不変量を定める下限が、トーラス不変な準monomial付値によって達成されることを示す。log Fano錐構造を外すと二次元でも反例があるため、局所K安定性に固有の存在定理である。
あらゆる射影曲線への引き戻しが半安定であるにもかかわらず、判別式が消えない階数4のHiggs束を構成し、Bruzzoの曲線半安定性予想に反例を与える。非常に一般の平面5次曲線の2次対称積上で、行列式が自明かつ第2 Chern数が10となる明示的構成である。
反対数標準類がnefなlog canonical Kähler対から正規Kähler空間への全射に対し、底空間の反標準類がpseudo-effectiveになることを証明する。射がprojectiveという従来の仮定を除き、Demailly--Peternell--Schneider予想を特異なコンパクトKähler設定で確立する。
正標数上の種数 $g\geq8$ の素Fano三次元多様体に、分解 $g=rs$ ごとに型 $(r,s)$ のMukai束が一意に存在することを示す。滑らかな反標準K3曲面とその完全交叉曲線のBrill--Noether一般性を確立し、正標数版Mukaiモデルの基礎を与える。
正標数上の素Fano三次元多様体について、種数6以上のMukaiによる射影幾何モデルを完成させる。種数7, 9, 10では斉次多様体の線形切断、種数12では交代形式のnetから定まるMukai多様体として具体化される。
単純正規交差境界の補集合上の平坦束について、Deligne標準延長に付随する拡張Chern--Simons類が次数 $p\ge2$ でtorsionとなることを証明する。多重交差では同時分裂できないmonodromy weight filtrationを、全nilpotent作用素の単一weight filtrationとmulti-Rees構成で置き換える。
compact Kähler generalized klt対のMMPでflipと因子収縮の後もKähler性が保たれることを、次元に依存しない形で示す。さらにFujikiクラス $\mathcal C$ の空間がKählerであるための有理曲線による判定法と、small $\mathbb Q$-factorial化・dlt modificationの存在を確立する。
滑らかなK-semistable Fano多様体の各反標準次数で、切断空間の次元は射影空間のそれ以下であり、一つの次数での等号だけで射影空間を特徴づける。さらにK安定性より弱い接束の傾き半安定性だけで同じ結論を導き、漸近的な体積比較を有限次数ごとの鋭い比較へ量子化する。
滑らかな射影的トーリック弱Fano多様体は、弱Fano性を保つトーリック操作で射影空間へつながるというSatoの予想に、全次元3以上で反例を与える。反例を阻むray polytopeの格子点剛性を示す一方、特異なGorenstein中間モデルを許す精密化を提案し、次元3以下と反例族について成立を証明する。
$n$ 次元klt特異点の局所体積を最小対数的食い違い係数で抑える鋭い不等式を証明し、等号を巡回商特異点で特徴づける。 さらに比の離散性とlog Fano対のmldの明示的下界を導き、局所K安定性の不変量をMMPの古典的不変量へ結びつける。
滑らかな曲線上の生成線形系の線形安定性が、付随するsyzygy bundleの傾き安定性を導く条件を調べる。 一般曲線ではBrill--Noether理論を、偏極K3曲面上の曲線ではLazarsfeld--Mukai束とBridgeland安定性を用いて、Mistretta--Stoppino予想の新しい成立範囲を与える。
Picard階数2・反標準次数28のFano三次元多様体族No. 2.21について、K-polystableな退化をすべて分類し、そのK-moduli成分を記述する。境界は鎖状に交わる3本の射影直線からなり、各stratumをquadricに沿う具体的なblow-upとして同定する。
正標数の射影直線の積にあるmultiplicity-free integral subvarietyが幾何的F-rational singularityをもつことを示す。Brionのnormal・Cohen–Macaulay性と標数零のrational singularityを強化し、flag varietyのSchubert基底に関する一般化にも証明が及ぶ。
正標数のsmooth projective variety上で、stratified vector bundleのmonodromy groupを、その各段に現れるstrongly semistable bundleのmonodromyから近似する。Tannakian subgroupの増大列のclosureが元のstratified monodromyを回収することを示す。
$n$ 次元K多重安定トーリック $\mathbb{Q}$-Fano多様体の通常の非同変アルファ不変量が取り得る値を完全に決定する。 その集合が有理数区間 $\mathbb{Q}\cap[1/(n+1),1/2]$ に一致し、既知の個別構成を完全な実現定理へ拡張することが主張される。
正・混合標数 $p>5$ の基底上で、$K_X+\Delta$ がeffective因子に数値同値なQ-factorial log canonical 4次元対に対する錐定理を証明する。 log resolution予想を仮定し、負の端射線の離散性、曲線による生成と長さ評価、nef thresholdの有理性を得る。
滑らかな4次元二次超曲面 $Q^4$ 上の階数2弱Fanoベクトル束を、直線束による捩りを除いて分類する。 分裂束、2種類のスピノル束、または $c_1=-H_{Q^4}$、$c_2=\alpha+\beta$ の既知の安定束だけが現れることを示す。
Calabi–Yau 多様体の基礎位相が、弱 Fano 性、準正の正則断面曲率、Hamilton 円作用、Kähler 双曲性と両立するかを調べる。偶数複素次元での弱 Fano との非同相性など、正と負の幾何を横断する一連の位相的障害を示す。
非常に一般の種数7の素 Fano 三次元多様体について、Abel--Jacobi 写像では消えるが Chow 群では非零となる具体的なサイクルを構成する。これにより Shen--Vial の乗法的 Chow--Künneth 分解が存在しないことを示す一方、代数的同値を法とすれば任意の Fano 三次元多様体にその分解が存在することも証明する。
二つの横断的 Lagrange ファイブレーションをもつ $K3^{[n]}$ 型または OG10 型の射影超 Kähler 多様体から、積上の捩れ超正則ベクトル束を構成する。これを用いて OG10 型超 Kähler 多様体に対する Lefschetz 標準予想と、双有理なものの導来圏が同値になるという D-同値予想を証明する。
二つの滑らかな成分が横断的に交わる境界をもつ複素多様体上で、無限遠のモノドロミーが冪単な平坦束の Deligne 標準延長を研究する。二重フィルトレーションと二変数の cubical 変形を用い、次数 $p\geq2$ の拡張レギュレーター類が捩れであることを証明する。
楕円曲線の余接束から作る Hilbert scheme と、放物 Higgs 束のモジュライ空間との既知の同型が、複素多様体としてだけでなく正則シンプレクティック多様体としても同型であることを示す。有限巡回群の位数が 1, 2, 3, 4, 6 の五つの場合を統一し、Hilbert scheme 上に Hitchin 系を与える。
整数の分割から作る多重射影空間、より一般に各次元で固定した Picard 数1の Fano 多様体の積を分類する。閉曲線錐の極端収縮から因子の次元を復元し、異なる分割に対応する積が非同型であることを統一的に示す。
正標数の滑らかな射影多様体について、絶対 Frobenius の trace kernel が豊富になる条件とその幾何的帰結を調べる。この豊富性が非自明な射を許さない強い制約を課すことを示し、古典型および $G_2$ 型の Picard 数 1 の射影等質空間を低標数の明示的例外まで分類する。
等次元なトーリック射について、相対反標準因子の全ての完全曲線上での次数が相対次元を超えるなら、アフィンな底の上で射影空間との直積になることを示す。全空間の $\mathbb Q$-factorial 性を仮定しない剛性定理であり、長い端射線に付随する縮約へ応用される。
滑らかな射影完全交叉曲面を不変にする正則葉層について、許される次数を完全に決定する。これによりPoincaré問題の明示的境界を得るとともに、十分大きな次数では孤立特異点スキームを含む別の葉層が接束の大域自己準同型からちょうど生じることを示す。
canonical特異点を持つ階数1葉層では、葉層標準因子のMMPの出力が同型まで一意であることを証明する。一方、3次元余階数1葉層にはkltおよび一定のF-dlt条件下でフロップの存在を示し、階数1では古典的MMPにないフロップ非存在やbase-point-free型の病理も構成する。
一般のFano完全交叉が任意の多重次数・次元でK多重安定であり、射影空間と滑らかな二次超曲面を除けばK安定であることを示す。分岐被覆型の特別な完全交叉を構成して安定性を証明し、族におけるK安定性の開性から一般の元へ移すことで、高次元で未解決例の多かった問題に一括して答える。
幾何種数0の射影曲面上で、特殊な偏極から標準的なCayley–Bacharach拡大によって階数2の特殊Ulrich束を作ることへの非存在定理を証明する。一方、primary Burniat曲面では全ての偏極が非特殊であるため、安定な特殊Ulrich束が常に存在し、特殊なample類が現れる数値的な半直線も特定される。
数値的平坦な直像層を用いて、ファイブレーションがtorsorから作られる随伴ファイバー束であるための標数に依らない判定法を与える。これを反標準因子がnefな特異対へ適用し、正標数と複素数体の双方でAlbanese射の弱Beauville–Bogomolov分解と斉次性を導く。
Chern数が素数pと互いに素な滑らかな射影多様体への有限p群作用を、本質的p次元を介して低次元線形表現に制約する。固定点定理やCremona群のp冪位数への算術的な上界を導き、作用に依存しない特性数が群作用を検出する仕組みを与える。
超Kähler錐に漸近する代数的超Kähler構造のモジュライを、三つのKähler類からなる周期で分類する。Kirwan写像の全射性などの仮定の下で周期写像の全単射性を示し、KronheimerのALE重力インスタントンのTorelli型定理をトーリック超Kähler多様体や中島箙多様体へ拡張する。
Chern勾配が最小の一般型曲面であるHorikawa曲面について、非常に一般の点では有理曲線・楕円曲線が有限個しかないことを示す。分岐二重被覆を対数対の双曲性へ移し、例外曲線を明示的に特徴づけて数える。
複素射影平面上の次数 $d$ の余次元1正則葉層について、代数的重複度が最大値 $d$ で、特異点がただ一つとなる場合を特徴づける。局所特異点の Milnor 数と大域的な特異点数を結び、こうした葉層の不変直線および Hilbert--Mumford 安定性も調べる。
種数3以上の一般曲線上で、一般ベクトル束の射影束に付随する生成線形系の核束が安定となる十分条件を与える。階数・次数・切断空間の次元に明示的な不等式を課し、曲線の場合の Butler 予想から射影束の次元に関する帰納法で高次元へ進む結果である。
対数 Higgs 束の多重安定性と Chern 類等式から、滑らかで固有な Deligne--Mumford スタックの開部分が複素単位球の商になることを特徴づける。逆に任意の球商スタックについて、境界が有限群による Abel 多様体の商の非交和となる滑らかな固有コンパクト化を構成する。
標準的な特異 Fano 多様体である well-formed 重み付き射影空間について、標準特異点を仮定した Fano 指数の鋭い上界を与える論文である。得られた上界は Picard 数 1 の $\mathbb{Q}$-factorial トーリック Fano 多様体にも及び、4 次元での指数の分布も制約する。
通常の klt pair に対する標準環の有限生成が generalized pair にも成り立つかという問題に、反例を与える論文である。著者らは滑らかな射影多様体上で nef な generalized canonical class をもちながら、その環が有限生成でない 19 次元の例を構成する。
整数係数をもたない有理 Hodge 構造の変動を明示的に構成し、非可換 Hodge 理論で整合性を外すと生じる病理を調べる論文である。曲線上の稠密モノドロミーをもつ例、指標多様体の $S$-整点、非整係数 Hodge locus の振る舞いを結びつける。
複素射影空間内の三次超曲面について、重複成分や可約な場合も含めて補集合が Oka となる条件を完全に分類する。唯一の例外は、同じ pencil に属する相異なる三超平面の和であり、特に長く未解決だった滑らかな平面三次曲線の補集合が Oka であることが従う。
コンパクト Kähler 多様体上の二つの Kähler 類について、$J$-slope 半安定性が双有理テスト類で定義される最小 $J$-slope と位相的 slope の一致と同値であるという Datar--Mete--Song 予想を証明する。さらに半安定なトーリック Kähler 多様体では最適不安定化部分多様体の集合が解析的であり、不変な場合の弱解が大トーラス上で滑らかになることを示す。
多重劣調和関数の乗数イデアルを一般のファイバーへ制限したとき、ファイバー上で直接作る乗数イデアルと一致することを、例外集合を多重極集合にまで精密化して示す。局所解析的Bertini定理についてのBoucksomの予想を解決し、一般の正則写像にも拡張する。
klt Fano多様体がK半安定でない場合にも、Miyaoka–Yau型Chern数不等式の不足分をデルタ不変量で定量化する論文です。滑らかな等号成立の場合は射影空間を特徴づけ、さらにKähler–Ricciソリトンに適合する同変版を示します。
modified bigな境界をもつコンパクトKähler generalized klt対に対して、Mori fiber spaceまたはgood log terminal modelへ至る最小モデル・プログラムを確立する。中心となる超越的base-point-free定理は、nefな随伴Bott--Chern類がKähler類の引き戻しとして半豊富になることを示す。
曲線上のlog Calabi--Yauファイブレーションに新しい安定性条件を導入し、固定した数値的不変量ごとにproperなDeligne--Mumfordスタックと射影的粗モジュライ空間を構成する。境界でも平坦なファイブレーションというモジュラーな意味を保つよう、特異点、quasimap、Chow線束の条件を組み合わせる。
正標数の標準類数値的自明な多様体について、quasi-$F$-splittingが幾何的非単線織性・正規性やMMP特異点をどこまで制御するかを明らかにする。quasi-$F$-splitとquasi-$F^\infty$-splitの差を示す反例も構成し、局所的には解消の存在を仮定してlog canonical性を導く。
円周上に滑らかにファイバー化するにもかかわらず、すべての正則1形式が零点をもつ滑らかな複素射影多様体を構成し、Kotschick予想に反例を与える。Albanese写像がhomotopy fiber bundleだがsubmersionではない例と、Aomoto複体による条件の限界も示す。
非等モジュラーなシンプレクティック楕円曲面に対し、Kodairaの函数不変量を精密化するsymplecto-functional invariantを導入し、それが楕円ファイバー構造を決定することを示す。これにより固定した始域・終域をもつisogenyを分類し、楕円K3曲面のファイバー近傍の同型を大域的isogenyへ延長する。
任意の体上の固有スキームについて、直線束の体積を定義する上極限が常に真の極限になることを証明する。さらに、有界導来圏の対象で摂動した漸近コホモロジーの増大率を、被約部分スキーム上の漸近コホモロジー関数とコホモロジー層の階数で表す。
Picard数の大きいK3曲面をアーベル曲面と結ぶOda--Morrison型の対応を、射影的な$K3^{[n]}$型超Kähler多様体へ拡張する。超越格子が$U^3$へ有理的に埋め込めるという仮定の下で、超越Hodge構造を同一視するアーベル多様体との代数的対応を構成する。
射影束のネフ錐と擬有効錐が一致することから元の束の傾き半安定性を導けるか、という問題に明示的な反例を与える。$\mathbb P^2$ 上の $E=T_{\mathbb P^2}(-1)\oplus\mathcal O_{\mathbb P^2}$ は傾き不安定だが、$\mathbb P(E)$ は1斉次であり、Fulger–Langer の問いに肯定的に答える。
Wittベクトルを用いて古典的$F$特異点を拡張するquasi-$F$特異点を概説し、klt・lc・pseudo-rational・pseudo-Du Bois特異点との対応を整理する。加えてquasi-$F$-injective性の判定、変形、二次元での対応に関する新結果を示す。
滑らかな偏極射影多様体 $(X,H)$ で接束の中間外冪 $\bigwedge^rT_X$ が $H$-Ulrich となる場合を調べる。論文は $X$ がFanoであることと反標準因子の交点数を決定し、Picard数1なら唯一の例がVeronese曲面 $(\mathbb P^2,\mathcal O_{\mathbb P^2}(2))$ であると分類する。
標数0の層に、一般の正標数還元と反復Frobenius引き戻しで測る新しい正値性を導入する。半安定射のHodge束が従来のnef性より強い性質をもち、消滅定理、Chern指標の非負性、Fano多様体の像、曲線族のslope不等式へ応用できることを示す。
高次元では一般に全射でない Hitchin 写像について、Chen–Ngô の spectral base が実際に像を与えるかを調べる。滑らかな射影曲面上の奇数階特殊線形群、および曲線の積上の特殊線形群とシンプレクティック群で、この予想を肯定する。
単純abelian多様体への射が滑らかであることを、引き戻しが零点を持たない正則1形式の存在で特徴づける。正則1形式の零点集合の線形性が成立する広いクラスを示す一方、abelian多様体内の滑らかな4次元部分多様体で低位集合が非線形になる例も構成する。
Kähler条件を $\|\nabla J\|$ が小さいalmost-Hermitian構造へ弱めても、有界幾何の下では奇数次Betti数の偶数性が保たれることを示す。弱いSobolev位相でのコンパクト性と低正則性Hodge理論を組み合わせ、Kähler幾何の性質が存続する「閾値」を定式化する。
cusp因子と有理parabolic重みをもつ対数対で、parabolic Bogomolov–Gieseker等号から複素ballへのperiod mapを構成する。一般の重みでは分岐した複素双曲構造となり、$q_i=p_i-1$ の標準重みで厳密なorbifold ball一意化となることを示し、逆方向も確立する。
Poisson Fano多様体でPoisson構造の階数が落ちる退化軌跡について、Bondal予想を5次元で証明する。より一般に奇数次元の劣最大退化軌跡へ下界を与え、葉層の代数的可積分性、modular residue、Pfaff場のコホモロジー制約を組み合わせる。
klt特異点のnormalized volume最小化付値が定める安定退化は、非退化反射的微分形式を保存する。これをsymplectic退化の剛性と組み合わせ、任意のsymplectic特異点の形式完備化が錐状であるというKaledin予想を証明する。
big line bundleの体積だけでなく第1 Riemann--Roch係数も近似する特殊Fujita近似の存在を証明する。これにより非Archimedes的entropyの正則化予想を解き、滑らかな偏極射影多様体のcscK計量の存在と自己同型群に相対的な一様K安定性の同値を導く。
通常の標準因子と葉層の標準因子を混合した随伴葉層構造について、$t$-K半安定性がlog canonical特異点を強制することを示す。さらにCalabi--Yau型・一般型・Fano型における安定性とklt性の対応を確立し、Odakaのflag ideal法を葉層設定へ拡張する。
Higgs束の階数 $d$ のHiggs部分束を表現するHiggs Grassmannianを通常のGrassmann束の閉部分スキームとして具体化し、その幾何をHiggs場の局所Jordan型から調べる。階数1の場合のgeneric fiberの有限性、Simpson systemの半安定性、spectral coverとの全射という応用を与える。
Campana--Păunによる対数余接束の傾きと対数標準束の正値性の結果を、projective coarse moduli spaceを持つ滑らかなproper Deligne--Mumfordスタックへ拡張する。正の傾きを持つ葉層の代数性を確立し、bigなViehweg--Zuo型部分層から対数標準因子のbignessを導く。
Higgsベクトル束に局所的正値性を測るSeshadri定数を導入し、Higgs豊富性の判定、曲線への制限による計算、曲線上での最小Higgs傾きとの一致を示す。通常のベクトル束の理論を、Higgs商を記録するGrassmannスキームへ移す研究である。
単純正規交差slc対からなる高次元の族について、pluricanonical直像の部分層の第一Chern類を対数標準類と分岐で抑える有効なArakelov型不等式を証明する。曲線上では鋭い評価となり、good minimal modelを持つ一般ファイバーのIitaka体積にも上界を与える。
単線織射影多様体上の極小有理曲線について、曲線近傍の解析的germがいつ同値になるかを概説するsurveyである。VMRTが一定の射影多様体型を持つ場合に生じるcone structureとG-structureを用い、局所平坦性とformal principleをめぐる既知の結果と問題を整理する。
Higgs場が零のとき通常のベクトル束の豊富性に戻るよう、Higgs豊富性の定義を修正する。新定義に対し、全ての曲線への引戻しとHiggs商の次数を一様に下から抑えるBarton--Kleiman型判定を証明する。
正規射影多様体上の階数 $r$ の葉層について、葉層に接する有理曲線を作るbend-and-break不等式の定数を従来の $2r$ から最適値 $r+1$ へ改善する。十分一般の完全交叉曲線と $K_{\mathcal F}$ の負性の下で明示的な次数評価を与え、積射影空間の例で定数の最適性も示す。
一般型曲面のKSBAモジュライ空間に完全障害理論を導入する二つのコンパクト化を概説する。lci被覆とbubble-tree曲面のモジュライから仮想基本類をKSBA空間へ押し出し、Kappa類などを積分するtautological不変量を定義して数え上げ幾何への入口を作るサーベイである。
代数次元ゼロのコンパクトKähler多様体を、Kummer型と単純多様体から組み立てる条件付き分類を与える。中心となる変形不変性の予想の下でMRC商に双有理的Bogomolov分解を与え、無条件には厳密単純な4次元多様体が単純トーラスのエタール商または既約hyperkähler多様体であることを示す。
Riemann面上の分数量子Hall状態で、$m$ 個の準正孔配置を曲線の対称冪で動かして得る正則ベクトル束を構成する。Grothendieck–Riemann–RochによりChern指標を計算し、完全充填時の射影的平坦性との整合、低種数でのBerry曲率との一致、多層系への一般化を示す。
同じKähler多様体列がCalabi–Yau極限を一つ持つなら、別の複素多様体極限もKählerであることを変形理論とHodge理論から示す。Weil–Petersson距離とBeltrami微分の比較を核に、K3曲面のKähler性、bounded periodを持つhyperkähler極限、K3上の安定層モジュライへ応用する。
安定極小モデルのモジュライスタックに対し、許容的な族が固定された底上で変形同値を除いて有限個になることを示す。対数Higgs層から得る定量的Arakelov型不等式が、Hom-stackの有限型性と高次元Shafarevich有界性を支える。
偏極klt良極小モデルのモジュライ空間の正規化が、任意の小平次元で準射影スキームになることを示す。核心は、非正規・非固有な底上の局所安定族について、Gabberの拡張定理を用いて直像層の弱正値性を確立する点にある。
Bertiniの幾何学的既約性定理と、連結滑らかな代数群をアフィン部分と固有部分に分解するChevalleyの定理に短い証明を与える。Weil因子、曲線のJacobian、代数群への有理写像という比較的古典的な道具だけで構成を見通せることが主眼である。
射影的slc三次元多様体では成立するabundanceが、コンパクトKählerの場合には一般に破れることを反例で示す。一方、sdlt対ではnefな対数標準因子が半豊富であり、slc対でも各正規化成分の対数Kodaira次元が正なら同じ結論が成立する。
非射影的なコンパクトKähler接触多様体を分類し、あるコンパクトKähler多様体の射影化接束に限ることを示す。一般Kähler空間で未確立の収縮定理を、最大有理連結商と有理曲線族で置き換える。
特定の積型単項式を付加して得られる高対称な特異超曲面について、特異コホモロジーと交差コホモロジーのHodge構造を計算する。最退化例のK-polystabilityも示され、周期写像・GIT境界・K-moduliを結ぶ具体例を与える。
最大変動を持つ正規射影的安定族について、次元固定かつ補間随伴体積が上から有界なら全空間が双有理有界となることを示す。より強い葉層版の有界性と、代数的可積分葉層に対する補間log canonical thresholdのACCが核心である。
単連結でホモロジーにtorsionを持たない滑らかな3次元Moriファイバー空間の向き付き微分同相型を、有限個の数値不変量で分類する。基底次元ごとにEuler標数、標準類の三乗、判別曲線などの条件を与え、一般には微分同相型が無限個ある状況を実用的な判定へ還元する。
滑らかな射影曲面上の線束について、dHYM計量の存在とBridgeland安定性の「大スケール極限」を比較する。Arcara–Miles予想を仮定し、一般のKähler類では両者が同値となることを、toric曲面に限られていた観察から任意の射影曲面へ広げる。
曲線上の有限射 $f:Y\to X$ に対する代数 $f_*\mathcal O_Y$ のHarder–Narasimhanフィルトレーションを、射影束内の因子や完全交叉という具体的な場合に計算する。順像を対称冪へ結び付けることで、計算しにくい標準フィルトレーションを元のベクトル束の不安定性から記述する。
一般型射影多様体に豊富なGreen–Griffithsジェット微分が存在するというDemaillyの定理へ、完全に代数的な証明を与える。層別化に付随する切断Chern交点数を用いた一般化Morse不等式を構築するため、同じ方法が任意標数でHasse–Schmidtジェット微分の存在を導く。
単純正規交叉対上の非退化な対数的共形テンソルが射影多様体の双有理幾何をどこまで剛直化するかを分類する。対数標準類がnefでない場合は二つの剛直モデルまたは偶数次元の最大等方ファイブレーションに限られ、数値的自明の場合には計量・holonomy仮定の下で半Abel多様体による一意化を得る。
複素代数多様体上の葉層に対する極小モデル・プログラム(MMP)を、特異点、随伴、曲面上のMMP、三次元フリップという流れで整理するサーベイである。葉層標準因子 $K_{\mathcal F}$ が通常の標準因子に似て振る舞う範囲と、特異点解消や半豊富性が破綻する葉層固有の障害を対比し、bend-and-breakと極小モデルの存在を中心課題として提示する。
potentially klt(pklt)対で反標準因子が双有理Zariski分解を持つ場合に反標準MMPの存在を別証明し、その各段階を $\mathbb Q$-factorial terminalization上の反標準非正写像へ持ち上げる。potential log discrepancyが全過程で保存される構造定理により、曲面では各段階の最小解消をredundant blow-upで結び付ける。
不完全体上の正則射影曲面で反標準因子がnefなら、標数 $p\geq7$ で幾何学的整域性が成り立つことを示す。標数5では幾何学的非被約な $K$-自明曲面を構成し、標数境界が最適であることも明らかにする。
K3曲面、Enriques曲面、既約正則シンプレクティック多様体の自己同型群にエントロピーノルムを導入し、正エントロピー自己同型の安定ノルムに一様なギャップを示す。さらに零エントロピーの放物型自己同型について、保存する種数1ファイブレーションを用いて非カイラル性を特徴付け、Enriques曲面では全てが非カイラルであることを証明する。
射影Hyper-Kähler多様体の分類を見据え、Lagrangianファイブレーション、安定層のモジュライとatomic sheaf、導来圏という三つの近年の展開を結び付けて概観する。特異Hyper-Kähler多様体と解析的変形も視野に入れた、講義録形式のガイドである。
非固有代数多様体における非可換Hodge理論の近年の進展を概観し、調和計量、Riemann–Hilbert対応、twistor構造をShafarevich射の代数性へ結び付ける。これにより任意の代数多様体に対する線形Shafarevich予想の一版が得られる道筋を示す。
種数 $g\geq2$ の曲線のモジュライスタック上のHodge束には、階数が $0$ と $g$ の間にある正則部分束が存在しないことを示す。二つの可換な対合を持つ曲線と $(\mathbb Z/2\mathbb Z)^2$ の指標計算から、仮想的部分束の階数が $g$ の倍数であることを導く。
非コンパクトな複素解析的底上の一般化lc-trivial fibrationに対し、無理係数を許す標準束公式を確立する。判別b-divisorとmoduli b-divisorが任意の開集合への制限と整合することを示し、複素解析的局所設定で補集合の指数を次元などの離散データだけから一様に抑える。
Campanaの意味で特殊な滑らかな複素準射影多様体上では、任意の複素局所系のモノドロミーが有限指数部分群を除いて冪零度高々2となることを示す。準コンパクトKähler多様体上の局所系の普遍変形とquasi-Albanese写像を組み合わせ、従来の「virtually nilpotent」を鋭く定量化する。
射影正規多様体がFano typeであることを、反標準因子のbigness、反標準環の有限生成、そのProjのklt性という3条件で特徴づける。多様体自身に $\mathbb Q$-Gorenstein性を仮定せず、Weil因子のsection ringと反標準modelによってFano型を検出する。
Campanaのorbifold底を与える射がC-pairの射になるとは限らないことを、滑らかな射影三次元多様体から曲面への明示例で示す。一方、射がneatで底の境界が単純正規交差ならC-pairの射になることを証明し、Campanaの特殊性をめぐる予想への含意を整理する。
Schur functor $S_aE$ の正値性がpartitionのdominance順序に沿って $S_bE$ へ伝播する原理を、ampleだけでなく$k$-ample、semiample、nefへ拡張する。Littlewood–Richardson則の共通構造によって、これらを一つの「algebraic property」として扱う。
非射影complete $\mathbb Q$-factorial toric varietyをflipで射影的なものへ移すFujino–Satoの結果を、Cox ringとGKZ fanから次元・Picard数の制約なしに再証明する。さらにweak Mori dream spaceへ拡張し、適切な因子に関するflipでprojective Mori dream spaceへ到達することを示す。
$n$ 次元射影多様体上の一つの負の極端射線について、その長さが $n$ を超えるなら、多様体は射影空間に限られることを示す。MMP型特異点を許し、すべての曲線ではなくMori錐の一射線だけを調べればよい点が特徴である。
log canonicalなlog Calabi–Yau対に最大次元のトーラス作用があるとき、Albanese射の一般ファイバーが互いに双有理となることを示す。kltの場合には知られていた弱Beauville–Bogomolov分解がlog canonical特異点では破綻し得るという問題に、対称性を仮定した肯定的な答えを与える。
Hacon–McKernanの有理鎖連結性定理を複素解析空間の射影射へ拡張する。特に複素解析的klt特異点の任意の特異点解消のファイバーが有理鎖連結となることを導き、元の証明の複雑な拡張定理を直接使う代わりにMMPを前面に出す。
mixed characteristicでFrobeniusの代役を果たすglobally $+$-regular性から、有理鎖連結性を導く。剰余標数 $p>5$ の3次元の場合を証明するとともに、摂動を組み込んだstrongly globally $+$-regular性を導入し、適切なmixed-characteristic base上では任意次元の結論を得る。
Fano型多様体の接層が二つの非零な因子に分裂するとき、各因子が代数的葉をもつ可積分分布になることを示す。さらに有限準エタール被覆上で、この無限小分解が多様体の積分解へ持ち上がる。
Hilb$^n$(K3)型および一般化Kummer型の偏極hyperkähler多様体について、一般点の偏極がいつ基点自由または非常に豊富になるかを調べる。偏極の平方・divisibilityに明示的な下界を与え、モジュライ空間の連結性と非空性も扱う。
複素解析・代数・非Archimedes幾何の対応を用いて、cscK計量に対するYau–Tian–Donaldson予想の変分的証明を概説する。自己同型群の単位成分が自明な滑らかな偏極射影多様体について、cscK計量の存在と拡張K安定性の同値を説明する。
nefな反対数標準因子をもつ特異コンパクトKähler多様体について、基本群がほとんど可換になる条件を与える。 lc対、三次元klt空間、Fujiki類におけるAlbanese写像を、Kähler RCD空間の理論と結びつける。
孤立Du Bois lci特異点をもつFano・Calabi–Yau多様体の局所平滑化方向を大域変形へ持ち上げる条件を与える。特に1-rationalまたは1-Du Bois特異点への変形を構成し、Hodge–Du Bois数の等式からCalabi–Yau多様体の平滑化を導く。
bigかつnefな標準束をもつ滑らかな射影多様体のうち複素球商であるものを、高次Chern数の等式だけで特徴づける。 高次Chern不等式と等号成立時の標準モデルおよび双有理写像の挙動を明示する。
Kähler族で標準因子の擬有効性、非有理曲線充填性、随伴類の体積が変形によりどう振る舞うかを調べる。標準特異点をもつ族では一つのファイバーの射影性から擬有効性の大域的一定性を導き、滑らかなKähler三次元族では随伴類の体積と多重種数の変形不変性を示す。
高次元球因子をもたない有界対称領域のコンパクトオービフォールド商を、豊富なオービフォールド標準因子とMok曲率型テンソルから特徴付ける。有限指数のtorsion-free部分群や局所被覆の条件を組み合わせ、Deligne–Mostowおよびkltオービフォールドに対する一意化判定を与える。
捩れなし層の代数的接錐を、滑らかな点のblow-up付値から準正則付値へ拡張する。 実数次数付き加群の斜率安定性とHarder–Narasimhan filtrationを構成し、最適延長の存在と本質的一意性を示す。
任意の複素滑らかな射影多様体 $X$ について、導来圏 $D^b(X)$ にBridgeland安定性条件が存在することを示す。楕円曲線の積上の安定性条件を有限射で射影空間へ降ろし、さらに閉埋込みを通じて一般の $X$ へ誘導する構成である。
Fano多様体の接層の反標準偏極に関する勾配不安定性を、最大不安定化層が定める葉層と葉層MMPから調べる。標準特異点をもつ弱del Pezzo曲面を完全分類し、弱Kähler–Einstein計量をもつのに接層が不安定な特異曲面も得る。
nef標準因子をもつklt射影多様体について、数値次元 $\nu\ge2$ に適応したMiyaoka–Yau型Chern類不等式を証明する。等号の場合にはAbel多様体と複素球商の積による有限quasi-étale被覆を特徴づけ、その過程で標準因子のsemiamplenessも導く。
Riemann面上の微分形式のstratumについて、連結成分、基本群、Euler標数、標準特性類などの位相的問題を代数幾何の観点から整理するsurveyである。コンパクト化、特異点変形、交叉理論、正値性が各問題へどう結び付くかを示し、既知結果と未解決問題を案内する。
商特異点を余次元2まで許すcompact Kähler空間上のstable reflexive sheafについて、orbifold Bogomolov–Gieseker不等式と等号の場合のprojective flatnessを証明する。第二orbifold Chern類を特異集合から離れた微分形式の積分で表し、標準類が数値的自明なklt Kähler多様体に対する複素トーラス商の解析的特徴づけへ応用する。
Campanaの特殊C対について、適合1形式で測る増大不正則度が次元以下になることを示す。局所一意化可能なコンパクトKähler対または射影的dlt対を扱い、通常の滑らかな射影多様体でも有限エタール被覆を越える強化を与える。
Q-Fano球面多様体の等変安定性閾値を、Borel部分群不変な反標準Q因子一つで計算する公式を与える。有限個の不変因子的付値へ計算を還元し、K半安定性を整合的因子の対数的標準閾値で判定できる形にする。
基本群の線形表現が複素代数多様体の位相・双曲性・正値性をどう制約するかを整理するサーベイである。非可換Hodge理論と調和写像を軸に、線形Shafarevich予想、Euler標数に関する諸予想、big局所系のもとでのGreen–Griffiths–Lang型問題を結び付ける。
余次元2で商特異点をもつコンパクトKähler多様体上の反射的層に、オービフォールド修正を介して1次・2次のホモロジー的Chern類を定義する。層がKähler類に関して安定ならば、これらのChern類に対するBogomolov–Gieseker不等式が成り立つ。
Campana特殊または整曲線鎖で結ばれるh-specialな滑らかな準射影多様体では、基本群の任意の複素線形表現の像が仮想的冪零になることを示す。bigかつreductiveな表現をもつ準射影多様体の対数Iitaka写像と半abelianファイバーに関する構造定理も与える。
コンパクト複素解析空間について、局所自明なオービフォールド部分と滑らかな部分を変えず、全体をオービフォールドにする射影的双有理修正を構成する。解析的設定で特異成分を分離し、有限被覆上の同変特異点解消を貼り合わせることが核心である。
複素準射影多様体の基本群がbigかつreductiveな線形表現をもつとき、Galois共役上のGreen–Griffiths–Lang型双曲性を研究する。半単純なZariski稠密表現のもとでは、例外的な真の閉集合の外の部分多様体がすべてlog一般型となり、整関数曲線もその閉集合に閉じ込められる。非可換Hodge理論とBruhat–Tits buildingへの調和写像を準射影設定へ組み込む点が中心である。
反標準類のnef分解係数の総和と次元・Picard数を比較する「nef複雑度」を導入し、その非負性と零の場合の射影空間の積による特徴づけを証明する。一般化klt対に対する係数上界から、klt Fano多様体、滑らかなFano三次元多様体、Mukai予想、射影空間の積の滑らかな像へ応用を展開する。
log canonical Calabi–Yau対からnon-klt locusを除いた開部分の準Albanese射を調べ、その優越性、既約一般ファイバー、局所安定性を証明する。crepant双有理モデル上で準Albanese多様体の標準コンパクト化への射を構成し、複雑度零の場合には元の対がtoricであることを導く。
滑らかなFano三次元多様体の自己同型群がPicard群に誘導する作用の像を、Mori--Mukaiの変形族ごとに分類する。Picard数5以下では、この作用とMatsukiのWeyl群の比較から、任意の有限自己同型群について一次群コホモロジーが消えることも示す。
準コンパクトKähler多様体上のrank-one局所系のコホモロジーに対する $L^2$ Hodge理論を構築し、Green–Lazarsfeldのgeneric vanishingとBudur–Wangのjumping locusを統一的な $\partial\bar\partial$-lemmaの枠組みで捉える。対数・Poincaré・円錐特異性を伴う計量の下でHodge分解を確立し、一次変形可能性から高次変形可能性を導く。
対数一般型かつ最大準Albanese次元の滑らかな準射影多様体に対し、小さい分岐をもつ穿孔円板の被覆からの正則写像についてBig Picard型定理を示す。その帰結として、このクラスで一般化Green--Griffiths--Lang予想を証明し、対数一般型を複数の非双曲性軌跡の真部分性で特徴づける。
特異Fano多様体の滑らかな部分に、種数を許した強い自由性をもつ曲線を構成する。dlt Fano対、接束が正な正標数多様体、対数的設定を統一的に扱い、1-free曲線の存在から滑らかな部分の位相的またはétale基本群の有限性を導く。
射影空間上の階数2トーリックtorsion-free層のChern類を計算・処方する構成法を与え、Hartshorne予想の半安定な場合をsmoothableな半安定トーリック層の非存在問題へ帰着する。反射的層のChern多項式とelementary injectionによる反復構成が中心である。
超曲面の有理性・安定有理性・retract有理性をめぐる近年の進展を、代数的サイクル、非分岐コホモロジー、motivic integration、トロピカル幾何、matroidなどの方法に沿って解説するsurveyである。一般超曲面に対する非retract有理性の境界と、一般三次3次元・4次元超曲面の近年の結果を位置付ける。
複素代数多様体の一径数退化を、非Archimedes的Berkovich空間を中心ファイバーとして加えるhybrid空間によって統一的に扱う講義録である。複素および非Archimedes的多重ポテンシャル論を結び、psh計量とMonge--Ampère測度のhybrid収束、特にCalabi--Yau体積形式・ポテンシャルの退化を解説する。
canonical弱Fano三次元多様体の反標準体積が高々72であることを示し、Prokhorovの予想を解決する。反標準線型系の次元にも鋭い上界を与え、等号成立を $\mathbb P(1,1,1,3)$ または $\mathbb P(1,1,4,6)$ へのcrepantな双有理射で特徴づける。
Hodge–Riemann双線型関係と半安定層のBogomolov不等式を同時に一般化する正のコホモロジー類のpairを導入する。Schur類からなる広いクラスで一般化不等式を証明し、偏極が動くときの半安定torsion-free層の有界性と有限型モジュライへ応用する。
通常の豊富性予想を仮定し、数値次元と小平次元が一致しない対数的標準葉層は代数的可積分でないことを示す。さらに代数的可積分な随伴葉層構造の豊富性と良い極小モデルまたは森ファイバー空間の存在を導き、階数・次元3以下では無条件の結論を得る。
$c_1=0$を満たすコンパクトklt Kähler多様体が、有限quasi-étale被覆の後に複素トーラス、既約Calabi--Yau多様体、既約holomorphic symplectic多様体の積へ分解する定理を解説する講義録である。滑らかな場合のholonomy論が特異点上で直接使えない障害と、それを層の安定性・葉層の代数的可積分性で克服する道筋を示す。
反標準因子を除いたFano多様体上の完備Ricci-flat Kähler計量がもたらす幾何を、因子が滑らかな場合と比例する2成分をもつ場合で比較する。前者ではBochner原理とlog接束の安定性を得る一方、後者ではそれらやquasi-Albanese写像の局所自明性が破れ、普遍被覆の無限位相型と無限遠幾何を示す。
Miyaoka–MoriのBend-and-Breakに現れる次数評価を最適定数 $\dim X+1$ まで改善する。複数の固定点をもつ曲線族から同数の有理曲線を切り離すBend- and-Shatterを導入し、lc対の負の端射線の長さにも最適評価を与える。
標準特異点をもつ弱Fano三次元多様体の $\mathbb Q$- Fano指数が66以下であることを証明し、重み付き射影空間の例により最適性を示す。標準三次元多様体用のRiemann–Roch公式、Kawamata–Miyaoka型不等式、階数2 の葉層の幾何を組み合わせる。
非非有理曲線被覆なコンパクトKähler klt対について、Euler–Poincaré標数が非零で数値次元1なら随伴束の非消滅を示す。さらにK自明多様体とhyperkähler多 様体で、nefだがbigでない直線束の非消滅・半豊富性とLelong成分の幾何を明らかにする。
正則シンプレクティック多様体から孤立商特異点をもつ正規解析空間への射影的Lagrangianファイブレーションの芽を考え、その底空間が実は滑らかであることを示す。特にhyperkä hler四次元多様体から正規曲面へのLagrangianファイブレーションの底が $\mathbb P^2$ であるという既知結果に別証明を与える。
極小解消に自己交点 $-n,-m$ の二つの例外曲線を持つ単一商特異点付きdel Pezzo曲面族について、K安定・狭義K半安定・K不安定を分類する。 Abban–Zhuang理論によるデルタ不変量評価などを使い、各安定性を持つ曲面を明示する。
射影空間を除く$n$次元K半安定Fano多様体の反標準体積が$2n^n$以下であることを示し、等号例を射影空間の積と滑らかな二次超曲面に特徴づける。K安定性の付値判定と極小有理曲線を結ぶことで、最大体積に次ぐ鋭い体積境界を与える。
potentially klt tripleの対数的標準閾値が準単項付値で計算されることを示す。これを摂動に用い、potential tripleに対するMMPとpotentially klt pairに対する反標準MMPを実行可能にする。
自己同型を持つextremal Kähler多様体へCM最小化を拡張し、適切なtorus twistを除けばextremalな充填がCM次数を厳密に最小化することを示す。これは偏極多様体のモジュライの分離性を、相対的なK安定性とfiltration Chow安定性から捉える結果である。
Beauville形式が等方類を持つ6次元hyper-Kähler多様体について、Fujiki定数とHuybrechts–Riemann–Roch多項式に強い数値制約を与える。特定の交点数が$3!$または$2\cdot3!$となる場合を計算し、既知の変形型を特徴づけようとする予想へ迫る。
数値次元$\nu\leq1$では、非消滅予想から豊富性予想が従うことを示す。さらに$\kappa\geq0$かつ次元5以下なら非消滅予想を仮定せず豊富性を証明し、良い極小モデルの存在へ結びつける。
Frobenius半正値性を満たす半安定層について、高次Chern指標を制御するBogomolov型不等式を証明する。Frobenius引き戻しに対する漸近Riemann–RochとLangerの大域切断評価を結び、三次元多様体などのChern指標へ具体的な応用を与える。
滑らかで自己同型群が有限な偏極多様体の平坦族において、cscK計量をもつファイバーの集合が可算個のZariski開集合の共通部分になることを示す。TrusianiによるYau–Tian–Donaldson対応と、uniform arc K-stabilityをPaulのpairの安定性へ移す代数的議論を組み合わせ、very generalな変形上に新しいcscK例を与える。
K半安定Fano多様体の反標準体積に対するFujitaの比較を、大きな整数$m$での切断数$h^0(X,-mK_X)$の比較へ量子化する。さらに量子化$\delta_m$不変量が1以上なら、固定した$m$でも射影空間が切断数を最大化し、等号が射影空間を特徴づける。
Fujiki class Cの全空間からの固有ファイブレーションが局所Moishezonになる条件と、コンパクトKähler全空間からのファイブレーションが局所射影的になる条件を与える。整数2次コホモロジー類から指数完全系列で線束を作り、一般ファイバー上のbig性または各ファイバー近傍でのample性を非Kähler locusと特異Demailly–Păun定理で確立する。
滑らかな因子$D$の補集合がホモロジーセルとなるコンパクトKähler多様体$M$を分類する。$\dim M\not\equiv3\pmod4$では$(M,D)$が射影空間と超平面の標準対に限られることを示し、藤田のコンパクト化予想をこの次元範囲で解決する。
対$(X,\Delta)$に擬有効$\mathbb R$-Cartier因子$D$を加えたpotential tripleを扱う。$D$が双有理Zariski分解をもつときgeneralized pairへ移し替え、$(K_X+\Delta+D)$に関するMMPを走らせる条件と反標準因子への応用を与える。
射影多様体で知られていた単線織性と標準束の非擬有効性の同値を、任意次元のコンパクトKähler多様体へ拡張する。Bost型代数性判定を準psh関数とLelong数で解析化し、葉層の代数的可積分性を経由して特徴づけを導く。
$\mathbb Q$-factorialな標準特異点をもつPicard数1のFano三次元多様体について、反標準次数の最良上界$(-K_X)^3\leq72$を証明する。一般化第二Chern類を用いるKawamata–Miyaoka型不等式と離散的分類を結び、等号の場合も二つの重み付き射影空間に決定する。
標数0の代数閉体上で、Higgs 層の傾き半安定性と曲線半安定性が基礎体拡大で保たれることを示し、H-nflat Higgs 束の Chern 類消滅予想を複素数体上へ帰着する。さらに複素 Jacobian 楕円曲面では、H-nflat locus の極限を冪零 Higgs 束へ落とし、その Higgs 場が消えることから予想を証明する。
複素射影空間の超平面配置の交叉posetだけから二次形式$Q$を定義し、安定な重み付き配置では$Q\leq0$となることを示す。対数解消上の放物的束にBogomolov–Gieseker不等式を適用し、Hirzebruchの直線配置条件を高次元へ拡張する組合せ論的不等式を得る。
コンパクトKähler多様体上の正則葉層について、接束の数値的平坦性からambient接束と普遍被覆の積分解、葉のEuclid一意化、標準束のtorsion性を導く。二次元葉層の構造定理を正則Poisson構造へ応用し、低次元射影多様体で大域的Weinstein分解を得る。
potential log canonical対と反標準因子の漸近基底軌跡を用いてFano type多様体を特徴づける。さらにplc centerが反対数標準因子のaugmented base locusに含まれなければ、良い反対数標準minimal modelが存在することを示す。
Enriques曲面またはK3曲面を一般ファイバーにもつ弱特殊三次元多様体を構成し、inf-multipleだが非可除な退化を実現する。オービフォールドMordell予想を仮定するとその有理点は潜在的に稠密でなく、弱特殊予想と矛盾するため、abc予想とも両立しないことを導く。
Bloch–Ochiaiの整曲線退化定理をCampanaのC対へ拡張する。コンパクトKähler正規空間上のC対でaugmented Albanese irregularityが次元を超えるなら、全てのentire C-curveの像はZariski稠密でないことを示す。
CampanaのC対に対し、C-semitoric対への普遍的な準代数的C射としてAlbaneseを定義する。コンパクトKähler正規交差C対では、その存在がAlbanese irregularityの有限性と同値であることを示し、特殊対ではこの不変量が次元以下になることも証明する。
generically largeな線形表現をもつ滑らかな複素射影多様体の普遍被覆上で$L^2$-Dolbeaultコホモロジーの消滅を示す。Atiyahの$L^2$指数定理を通じて$\chi(X,K_X)\geq0$を導き、基本群が線形な場合のKollár予想を解決する。
射影多様体 $X$ の対称テンソル代数と余接束のaffinizationを調べ、その写像が双有理となる条件を接束 $T_X$ のbig性で特徴づける。さらに得られるaffine schemeがsymplectic varietyとなる条件を $\mathbb{P}T_X$ のFano type性で特徴づけ、トーリック多様体などに具体例を与える。
対数的標準特異点をもつ射影多様体が複素球商のBaily–Borel–Mokコンパクト化となるためのMiyaoka–Yau等号条件を研究する。孤立特異点とdiscrepancy $-1$ の対数的解消を仮定すると一意化が成立し、対数的標準性を外せば等号だけでは不十分であることも示す。
準射影な正規複素代数多様体の基本群がほぼ忠実な有限次元複素表現をもつとき、普遍被覆が正則凸空間の解析的Zariski開集合になることを示す。さらに有界rankの局所系の集合に対し、それらが有限monodromyとなる部分多様体をちょうど収縮する代数的Shafarevich射の存在と一意性を確立する。
固定した滑らかな準射影曲線上で、Hilbert多項式を固定し、標準束がsemi-ampleである非定数な滑らかな偏極射影族が有界であることを示す。標準偏極の場合のParshin–ArakelovおよびKovács–Lieblichの結果を越え、一般の底ではmaximal variationのもとで有界性、good minimal modelをもつ族では双有理有界性も得る。
滑らかなFano多様体の接束について、nef性からbigかつsemiampleであることを導く豊富性型主張を扱う。ただしv2は証明のgapによって主定理の証明が無効であると明記しており、以下は撤回告知を含むIntroductionの主張と構想の記録であって、確立済み定理の紹介ではない。
代数幾何と複素幾何の双方で、傾き半安定な連接層のモジュライ空間が存在するための古典的・近年の結果を整理するサーベイである。安定性、族の有界性、モジュライ関手とスタックから空間の構成までを、関手的側面に重点を置いて結ぶ。
Campanaの幾何的orbifoldであるC-pairを複素解析的設定で体系化し、特異な場合にも適した射の概念を構成する。adapted reflexive differentialの引き戻しを基準にすることで、滑らかな場合の既存概念と整合しつつ、関手性とMMPとの相性を得る。
smooth morphismの下で対数小平次元がどのように振る舞うかを、Parkの対数base-change theoremと混合Hodge構造の変動を用いて調べる。底空間がlog general typeであることの特徴づけや、小平次元の加法性予想に対する条件付き結果を与える。
一般射影超曲面に対するGreen–Griffiths–Lang予想とKobayashi予想を、多項式的な次数下界のもとで確立する。古典的なGreen–Griffithsジェット空間を用いることで、準Brody双曲性には $d>153n^5/4$ という明示的下界を得る。
曲線上のCampanaファイブレーションに対し、一般ファイバーの強Campana単線織性を仮定して良い還元の場所でのCampana切断の弱近似を証明する。さらにトーリックCampanaオービフォールドが強Campana単線織かつCampana有理連結であることを示す。
bigかつnefで普遍被覆上に有界な原始をもつ代表を許す類の存在として定義される弱Kähler双曲性が、コンパクトKähler多様体の双有理不変量であることを証明する。これによりKollárが提起した双有理版Kähler双曲性の問題に答える。
大きな基本群と任意標数の体上のほとんど忠実な線形表現をもつ複素射影多様体について、perverse sheafのEuler標数の非負性を証明する。これは非球面的多様体に対するChern–Hopf–Thurston予想を含み、多価1形式の消滅サイクルと純・混合周期写像を結び付ける結果である。
一様K安定な偏極トーリック多様体について、Futaki–Ono不変量が消え、moment polytopeの各頂点錐がsmallなsemi-canonical triangulationをもてば漸近Chow polystableであることを示す。特に滑らかな偏極トーリック多様体では三角形分割条件を解消し、一様K安定性とFutaki–Ono不変量の消滅から漸近Chow polystabilityを組合せ論的に導く。
コンパクトKähler多様体間のファイブレーションについて、Kodaira判定とMoishezon定理の相対版を証明する。2形式の引き戻しが同型である場合、または射がMoishezonである場合に射影射となり、klt Kähler空間のMRCファイブレーションが射影的モデルをもつことが従う。
一般化Kähler対に対して、標準束公式、劣随伴、plt/lc随伴反転を確立する。さらに低次元のBDPP予想を仮定して錐定理を導き、解析的MMPを高次元へ進めるための帰納的基盤を与える。
正標数体上の基本群表現からShafarevich射を構成し、低い$\Gamma$次元で普遍被覆の正則凸性を証明する。bigな表現の下ではGreen–Griffiths–Lang型双曲性、特別多様体の表現像の仮想可換性、普遍被覆に関する構造定理も導く。
射影空間$\mathbb P^n$の中心ファイバーが正規klt多様体となる特異退化を研究する。接層が半安定なら中心ファイバーも$\mathbb P^n$であることを示し、標準特異点をもつ3次元の場合には可能性を三種類に分類する。
Higgs束のHitchin写像が通過するスペクトル基底と、射影多様体の基本群表現との関係を調べる。スペクトル基底の消滅から簡約表現の剛性・整性を導き、階数2以上の有界対称領域を既約余コンパクト格子で割った商では全階数のスペクトル基底が消えることを示す。
余次元2で商特異点をもつコンパクト複素解析多様体に対し、商特異点のみをもつ空間からの射影的双有理射を構成する。逆写像の不定値集合を余次元3以上に抑えることで、コンパクトKähler多様体上の安定反射的連接層に対するオービフォールドChern類のBogomolov–Gieseker不等式へ応用する。
4次元以上の複素射影多様体上で、接束が数値的射影平坦な正則余次元1葉層を分類する。有限エタール被覆の後に現れる射影直線束、アーベル多様体上の線形葉層、曲線上のアーベルスキームなどの構造と、標準因子が豊富な残余の場合を切り分ける。
対 $(X,\Delta)$ と擬有効因子 $D$ からなるpotential tripleに対し、局所特異点と $D$ の大域的非nef性を同時に捉える漸近乗数イデアル層を構成する。$D$ がbigな場合のpotentially klt性の特徴づけ、スケーリング付きMMPの実行可能性、Nadel型消滅定理を示す。
高次元射影多様体上の階数2 Higgs束について、スペクトル多様体の有限Cohen–Macaulay化を二重分岐被覆として構成する。これによりChen–Ngôの全射性予想を確認し、Hitchin切断、指標多様体の剛性判定、Milnor–Wood型不等式へ応用する。
球商、トーラス商、射影空間の位相的特徴付けをklt特異点をもつ射影多様体へ拡張する。有界対称領域の特異商の剛性、特異トーラス商の判定、$\mathbb P^3$ の完全な特徴付けを示し、高次元射影空間の場合にも強い制約を与える。
滑らかな射影多様体 $X$ の接束の対称冪の大域切断をまとめた次数付き代数 $S(X)$ を研究する。具体例を計算し、そのKrull次元に鋭い上界を与え、非単線織多様体で接束が擬有効となる場合の構造を予想する。
コンパクト hyperkähler 多様体の正則 Lagrangian ファイブレーションについて、判別集合外の基底に入る特殊 Kähler 計量を用い、極小有理曲線族上で基底の接束が非自明な平行分解を持つことを示す。この分解と Voisin、Hwang、Bakker–Schnell の結果を組み合わせ、基底が滑らかな場合に射影空間となる Hwang の定理へ新しい経路を与える。
一般型射影 klt 多様体の滑らかな部分の基本群から Hermitian 型 Lie 群への表現に Toledo 不変量を定義し、標的が階数2以下の古典群なら鋭い Milnor–Wood 不等式を証明する。等号成立を、標準モデルが滑らかな複素球商の有限 quasi-étale 商であり、表現の調和写像が全測地的な複素双曲空間を与えることによって特徴づける。
$n$ 乗根被覆によって一般型三次元多様体のChern数の比を制御する。滑らかな分岐では任意次元の漸近公式を示し、単純正規交叉分岐をもつ三次元の場合にはトーリックな部分解消を構成して $c_1^3,c_1c_2,c_3$ の漸近性を確立する。
複素射影正規多様体の基本群の還元的表現すべての核の共通部分に対応する被覆が正則凸であることを示し、滑らかな場合の Eyssidieux の定理を特異な場合へ拡張する。さらに準射影正規多様体上の単一または族としての還元的表現に Shafarevich 射を無条件に構成し、関数体レベルの代数性と、大表現に対応する中間被覆の Stein 性を得る。
特異Hermite計量を持つ線束に値を取るカレントに対し、通常のHodge理論と特異計量の $L^2$ 理論を補間する一般化 $\partial\bar\partial$ 補題を証明する。これを用いて、単純正規交差対を対象とする藤野の単射性定理を射影的場合からコンパクトKählerの場合へ拡張する。
準Albanese写像が固有な正規複素準射影多様体について、基本群の無捩れ冪零商が準Albanese像の正規化のものと制御された有限指数を除いて一致することを示す。その結果、冪零完備化に付随するétale Galois被覆の正則凸性を得て、specialな場合には無捩れ冪零商がabel群になることを導く。
滑らかなFano三次元多様体の接束から作る標準拡大がアフィンであるなら、元の多様体は有理斉次多様体であることを示す。Picard数1の核心は次数5のdel Pezzo三次元多様体 $V_5$ の標準拡大がSteinでないことの証明であり、接束の正値性とMori理論を複素解析的条件へ結び付ける。
コンパクトKähler多様体の接束がnefなら、その任意の標準拡大がSteinであることを示す。証明はnef接束をもつ多様体のAlbanese写像による構造分解と、標準拡大のファイバー積表示を用いる一方、逆向きについて半安定束から生じる高種数曲線上のルールド曲面では標準拡大がSteinにならないことも示す。
特異Hermitian計量をもつ正則ベクトル束に非多重極積とChern類を構成し、$\mathcal I$-good特異性に対するChern–Weil公式を確立する。解析的なChernカレントをb因子およびRiemann–Zariski空間上の交叉理論と結び、混合Shimura多様体への算術交叉理論を見据えた枠組みを与える。
反擬有効な階数1反射層に値をとる反射的正則 $p$ 形式が定める分布について、滑らかなコンパクトKähler多様体上のDemaillyの可積分性定理をklt特異Kähler空間へ拡張する。特異点解消上の対数形式と特異Hermitian計量に対する部分積分を組み合わせ、lc空間上の1形式にも対応する結果を得る。
滑らかな射影的fibration $f:X\to Y$について、一般ファイバーの標準束が半豊富なら対数小平次元の加法公式$\kappa(X)=\kappa(X_y)+\kappa(Y)$が成り立つことを示す。証明はspecialな底上の族の双有理等自明性、Campanaのcore map、orbifold版Viehweg加法定理を組み合わせる。
largeな複素局所系をもつ射影複素代数多様体について、一般型でない部分多様体、Abel多様体からの像、整関数曲線の像が定める三つのspecial locusが一致し、Zariski閉となることを示す。さらに、この共通部分が全体でないことと多様体が一般型であることを同値にし、Green–Griffiths–Lang予想の強い形を確立する。
$\mathbb Q$-factorialなコンパクトKähler 4-foldのeffective dlt pairがlog minimal modelをもつことを示し、半安定klt族では相対MMPがminimal modelまたはMori fiber spaceで停止する条件を与える。三次元Kähler MMPを境界因子へ適用し、解析空間の射影的射に対するflipと相対MMPを組み込むことで、高次元Kähler MMPへの第一歩を築く。
複素偏極Hodge構造の変動が正規交差境界で退化するとき、Hodge filtrationとDeligne拡張の交わりが局所自由になることを示す。この延長定理を基礎に、周期写像の正則延長・水平性と一変数での指数的距離評価を含む冪零軌道定理の主要部分を複素の場合へ拡張する。
コンパクトKähler多様体の余接束について、正規化した数値次元と小平次元の一致を予想し、いくつかのクラスで検証する。特にklt特異点と消える第一Chern類をもつ多様体の滑らかなモデルでは、両次元を有限エタール被覆の最大不正則度により明示的に計算する。
正値 $(1,1)$ 形式のSchur多項式が、線形空間とコンパクトKähler多様体の双方でHodge–Riemann型の符号数 $(1,h^{1,1}-1)$ を与えることを示す。ampleベクトル束についての先行結果を、任意のKähler形式のSchur多項式へ拡張する。
滑らかな射 $f:X\to Y$ に対する小平次元の加法性を調べ、一般型が関与する場合や標準偏極ファイバーの場合に無条件の結果を与える。Campana–Peternell予想の下では逆向き不等式 $\kappa(F)+\kappa(Y)\ge\kappa(X)$ を示し、MMPの予想群から完全な加法性を導く。
種数2以上の $p$ 進曲線上で、幾何的étale基本群の有限次元 $p$ 進表現と、潜在的に次数0の強半安定還元を持つHiggs束との圏同値を構成する。これはFaltingsの $p$ 進Simpson対応予想に対する部分的な実現であり、対応するHiggs束が次数0の半安定束となることも示す。
正規コンパクトKähler多様体上の反射層に対し、特異集合を許すHermitian計量とHermitian–Yang–Mills計量の存在を扱う。解消上で退化するKähler計量に一様Sobolev不等式が成り立つという予想を仮定し、安定反射層の許容可能Hermitian–Yang–Mills計量とBogomolov–Gieseker型不等式を導く。
コンパクトKähler多様体から滑らかな超曲面を除いた空間がSteinとなるための必要条件を調べる。Stein補集合なら超曲面の法束が擬有効であることを示し、接束の標準拡大の補集合へ適用して、低次元多様体のMori収縮や構造を強く制限する。
klt型特異点が標数0の簡約代数群による商で保存されることを示す。affine不変式論的商から準射影good quotientへ局所化し、K-polystable Fano多様体のgood moduli spaceやFano型多様体の射影GIT商にもklt型・Fano型が継承されることを導く。
準多重劣調和関数の乗数イデアルが一般超平面への制限と可換する範囲を解析的に精密化する。例外超平面全体がpluripolar集合に含まれることを示し、従来の稠密性・零測度性を強めるとともに、可算個の準psh関数へ同時適用できる形を得る。
素体上の超越次数が無限な代数閉体上で、同型なfiberをもつ滑らかな射影族は、fiberの自己同型群schemeが被約ならétale局所自明であることを証明する。Fischer–Grauert定理の代数幾何版であり、Kodaira–Spencer写像の消滅からformal trivialityを導く一方、正標数で自己同型群の仮定が必要になる例も構成する。
一点で単射なHiggs場をもつ冪零調和束から、準コンパクトKähler多様体の擬Picard双曲性、擬代数的双曲性、対数一般型性を導く。有限不分岐被覆を取ると、その任意の滑らかな射影コンパクト化にも一般型性と二つの擬双曲性が成立し、Hodge構造の変動に依存した従来結果を冪零調和束へ拡張する。
有限基本群をもつコンパクトシンプレクティック葉を含むコンパクトKähler Poisson多様体が、有限étale被覆後にその葉の普遍被覆と別のPoisson多様体との積へ分解することを示す。Poisson構造から接束の正則分解を作り、大域Reeb安定性とholonomy groupoidにより局所Weinstein分解を大域化する。
超Kähler多様体のRiemann–Roch多項式について、すべての係数が正であることを証明する。Todd genusの平方根をRozansky–Witten理論でLefschetz型分解し、Hodge–Riemann双線形関係へ結びつけることで、実効非消滅予想や多項式の狭義単調性への帰結を得る。
滑らかな境界をもつ射影log pairについて、対数余接束から作るHiggs束の斜率polystabilityと対数Miyaoka–Yau型等号により、開部分が複素単位球の商であることを特徴づける。Simpson–Mochizuki対応からperiod mapを構成し、その完備性を示して大域的一意化へ進む。
標数を問わず、接束が斜率半安定でChern類が数値的に消える滑らかな射影三次元多様体に対し、Bayer–Macrì–Toda型Bogomolov–Gieseker不等式を証明する。これによりBridgeland安定性条件の存在を得て、Reider型消滅定理とFujita予想を導く。
豊富なベクトル束の次数 $d-2$ のSchur類がHard Lefschetz性とHodge--Riemann双線型関係を満たすことを証明する。これにより高階数版Khovanskii--Teissier不等式を含む特性類不等式が得られる。
正標数の大域関数体上で、Brauer--Manin障害ではHasse原理の破れを説明できない単連結四次元多様体を構成する。主要な入力として、正標数関数体上のCampana幾何orbifoldに対するMordell型定理を証明する。
任意の有理連結複素射影多様体に計量的に稠密な整曲線が存在することを示し、特殊多様体と整曲線の存在を結ぶ予想をこの場合に確認する。さらに分岐被覆へ持ち上がらない整曲線を構成し、Nevanlinna理論版weak Hilbert propertyにも答える。
Birkarによる固定次元の $\varepsilon$-lc Fano多様体の有界性定理を解説し、Prokhorov--Shramovの議論を通じてCremona群の有限部分群がJordan性を満たすことへ応用するsurveyである。BAB予想と双有理自己同型群の群論的制約を結ぶ。
複素射影多様体上で、任意のKähler類に関してGieseker--Maruyama半安定な階数二の層をパラメータ化するproperなgood moduli spaceを構成する。非有理偏極では従来の大域GITが使いにくい問題を、局所sliceとArtin stackの存在判定で解決する。
半豊富な標準束をもつ滑らかな射影多様体の最大変動族について、底空間が擬Kobayashi双曲的であることを示す。これにより対応する偏極多様体のモジュライ空間のBrody双曲性を導き、一般型最小多様体の有効パラメータ族では底のKobayashi双曲性まで得る。
tame harmonic bundleに対応するフィルター付き正則特異Higgs束について、Higgs場の核に含まれる部分層の双対が弱正値になることを示す。Fujita–Kawamata–Zuo半正値定理を一般化し、無限モノドロミー局所系をもつ準射影多様体の対数余接束の正値性へ応用する。
準射影多様体の基本群から一変数形式微分同相群への表現を分類し、像が仮想可換でない場合には中心で割った表現がorbicurveを経由することを示す。余次元1葉層の準射影葉のホロノミーに適用し、複雑な横断力学が曲線型の幾何から来ることを明らかにする。
Ohsawa–Takegoshi拡張定理を用いて、捻った多重標準束の直像の一般生成に有効評価を与える。さらにDemailly–Peternell–Schneiderの問いをklt対へ拡張して肯定し、弱Fano型多様体の像と有理連結性に応用する。
コンパクトKähler多様体で、すべての正次数微分形式の全対称冪に大域切断がなければ基本群が自明であることを示す。普遍被覆上の $L^2$ Hodge理論から対称微分形式を構成し、相対版として適切なファイバーをもつ固有射が基本群同型を誘導することも証明する。
反標準因子が擬有効な対に潜在的discrepancyと潜在的非klt locusを導入する。このlocusが反標準MMP後の非klt locusへ正確に移ることを示し、Fano型多様体の特徴付けと、有理連結性を従来より小さい例外集合の外で得る。
$\mathbb C^n$ からコンパクトKähler $n$ 次元多様体への非退化有理型写像の位数が2未満なら、標的が有理連結であることを示す。Nevanlinna理論的な成長条件を双有理幾何の強い結論へ結び付ける。
高次元射影多様体上の層について、可動曲線類に関する傾き半安定性を用いてwall-crossingの病理を避ける。完全交叉曲線が定める傾き安定ベクトル束のモジュライに、Donaldson--Uhlenbeck型の射影的コンパクト化を構成する。
コンパクトKähler多様体の基本群が有限次元表現を通じて無限像を持つなら、余接束のある正の対称冪に非零切断が存在することを示す。基本群の線形表現、Hodge理論、余接束の正値性を結び、Esnaultの問いに広い範囲で肯定的に答える。