Analytic Construction of Rational Curves on Fano Manifolds
日本語要約
正Ricci曲率を持つコンパクトKähler多様体上で、面積を一様に抑えた正則円板を拡大し、有限面積整関数から有理曲線を解析的に構成する。各点を通る曲線の鋭い面積上界を与え、この構成を用いてFano多様体の有理連結性とHartshorne予想の標数0における証明を導く。
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Several Complex Variables
L2理論, Oka多様体, 解析空間など
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正Ricci曲率を持つコンパクトKähler多様体上で、面積を一様に抑えた正則円板を拡大し、有限面積整関数から有理曲線を解析的に構成する。各点を通る曲線の鋭い面積上界を与え、この構成を用いてFano多様体の有理連結性とHartshorne予想の標数0における証明を導く。
有理連結ファイバーを持つ滑らかな射について、開Riemann面上の連続持ち上げを正則持ち上げで近似し、離散集合上の有限jetを補間できることを示す。代数的設定では近似する持ち上げも代数的に選べ、滑らかな射影多様体について代数的Oka-1性と有理連結性が同値になる。
$\mathbb C^2$内の複素直線と最大全実平面が非コンパクトに交わる基本配置についてStein近傍基の存在を証明する。一方で、閉複素部分多様体と閉全実部分多様体の和が常にStein近傍基を持つという一般的主張には、Hartogs型障害による反例を与える。
通常の$\partial\bar\partial$-補題を満たすコンパクト複素三次元多様体上に、数値的平坦でありながら正則接続を一つももたない階数2ベクトル束を構成する。これはKähler・Fujikiの場合に成り立つ平坦性との対応が、通常の$\partial\bar\partial$-補題だけからは従わないことを示す反例である。
Demailly–PăunによるKähler錐の数値的特徴付けを、正規性も大域的埋め込みも仮定しないコンパクト弱Kähler空間へ拡張する。さらに正規コンパクトKähler空間上のbigかつnefなBott–Chern類について、通常の非Kähler locus、弱解析的特異性で定めたlocus、null locusが一致することを示す。
同じLevi符号を持つ実超曲面間の正則写像について、標的が任意余次元の超二次曲面なら、写像はCR横断的であるか全退化することを示す。一般のLevi非退化な標的ではこの二分法に反例を与え、超二次曲面という仮定が本質的であることも明らかにする。
負曲率Kähler--Einstein多様体の退化族について、中心ファイバーが単純正規交差を持つときのBergman埋め込みの極限を決定する。極限は中心ファイバーの正規化の埋め込みだけでなく、交差層に沿う多重bubbleを含み、その形は正規交差の組合せで記述される。
特異複素空間上では、滑らかな $(1,1)$-形式を正カレントとみなす正値性と、局所埋め込みから定まる正形式としての正値性が一致しないことを示す。第4 Whitney錐による判定を与え、局所的に滑らかなポテンシャルを持つKählerカレントでありながら正形式ではない具体的なコンパクト正規射影多様体上の例を構成する。
Boucksom–Demailly–Păun–Peternellの超越的Morse不等式予想を任意のコンパクトKähler多様体上で証明する。これにより因子的Zariski分解の直交性、擬有効錐と可動錐の双対性、big錐上の体積関数の微分公式と局所 $C^{1,1}$ 正則性が一挙に従う。
コンパクトKähler多様体の有理商に対し、余接束のテンソル冪へ埋め込まれる擬有効直線束の数値次元を商の標準束で抑える。一般ファイバーの有理連結性を用いた直線束の降下と、退化因子が超越的数値次元を変えないことを結び付け、射影的場合にも新しいとされる不等式を得る。
滑らかな多重次数 $(2,2,2)$ の $(\mathbb P^1)^3$ 内超曲面がOkaであることを示し、初のOka K3曲面の例を与える。さらに任意のK3曲面の局所Kuranishi族でOka fiberが稠密 $G_\delta$ 集合をなし、Kummer周期領域にも同様の稠密性が成り立つ。
Oka性の保存と破綻を具体例で調べ、$\mathbb C^3$ から任意の閉集合 $S\subset\mathbb R^3$ を除いた補集合と、閉Hartogs三角形の補集合がOkaであることを示す。一方、連結で滑らかなOka中心に沿うblow-upがBrody体積双曲的となる反例、および代数的basic Oka propertyの反例を構成する。
滑らかな境界を持つReinhardt領域のBergman計量が完備Einstein計量なら、その領域は複素単位球と双正則であることを示す。非有界な滑らかなReinhardt領域には完備Bergman--Einstein計量が存在しないことも従う。
Hermitian計量に関するMonge--Ampère質量が全てのコンパクト複素多様体で一様有界かという問いに反例を与える。Hopf三次元多様体上で正値性を保つポテンシャル列を構成し、その総質量が無限大へ発散することを示す。
Bergman計量の局所的な共形同一視が、薄い集合を除く大域的双正則同型へ延長する条件を与える。 sourceがSteinの場合とmodel domainが十分な対称性を持つ場合を扱い、局所対称Bergman計量を持つ有界領域の特徴づけも得る。
同次元複素多様体間でBergman計量を定数倍まで保つ正則写像が、pluripolar集合を除いた双正則同型になることを示す。 Luの一意化定理を写像論的に拡張し、強擬凸領域の直積への局所等長写像にも成分ごとの剛性を得る。
実多様体の微分同相を、その Stein 複素化の正則自己同型で Whitney 位相において近似する問題を扱う。実構造と両立する density property を十分条件として、$\mathbb R^n$ の全微分同相および体積保存版を任意の $C^k$ 精度で大域的に近似する。
Hopf多様体上で、直線束の数値的非負性と半正曲率計量の存在がどこまで一致するかを調べる。Bott–Chern類とUeda類を用いて正値性錐を分類し、非対角Hopf曲面の不変楕円曲線や任意次元でnefだが半正でない例を与える。
特異Hermite計量から定まる高階の乗数部分加群層を、有限個のスカラー乗数イデアルへ還元する「有限多重劣調和Gramスカラー化」を導入する。一般の正値性を仮定せずに連接性と強開性を導き、解析的特異点の下でjumping numberとSkoda型周期性を構成する。
正規複素解析空間芽上の余次元1正則葉層について、葉の閉性と原点へ集積する葉の有限性から正則第一積分を特徴づける。曲面上の Mattei--Moussu 型定理を特異な周囲空間へ拡張し、追加仮定の下で高次元への延長と形式的第一積分からの正則第一積分の存在も導く。
コンパクト Hermitian 多様体の閉複素部分多様体上の任意の $\omega|_V$-plurisubharmonic 関数が、全空間の $\omega$-plurisubharmonic 関数へ延長できることを証明する。狭義版も成り立つため、Kähler 類の current は同じ ambient class の Kähler current の制限として実現される。
ample 線束に対する Steenbrink 消滅定理を、乗数イデアル層を組み込むことでコンパクト複素空間上の big 線束へ拡張する。特異 Hermitian 計量を適切に選び、対数的微分形式のコホモロジーが $p+q>n$ で消滅することを示し、nef and big の場合には乗数イデアルを式から除ける。
特異 Hermite 計量をもつ直線束に対し、コンパクト Kähler 多様体上で大域的な Skoda $L^2$ 除法定理を証明する。曲率と可積分性の条件の下で除法の係数を明示的に評価し、乗数イデアルを用いた Siu 型除法と切断環の生成次数の有効上界を導く。
指数的に平坦な無限型境界点をもつ擬凸領域について、Bergman 核・計量・Ricci 曲率の非接線的漸近挙動を求める。その帰結として、有界とは限らない領域でも Bergman 計量は Einstein にならず、有限型を越えた Cheng–Yau 予想の証拠を与える。
正の閉カレントとDemailly--Semple塔を用いて、コンパクトKähler多様体の双曲性を測るhyperbolic indexを導入する。その正値性からKobayashi双曲性を導き、一般超曲面では次数に対して少なくとも線形に増大する有効下界を与える。
特異複素空間上のベクトル束に対して特異 Griffiths・Nakano 正値性を整備し、解消との対応と $L^2$ Dolbeault 理論を構築する。弱擬凸複素空間上で高次コホモロジーの Nakano–Nadel 型消滅を導く。
種数2以上のコンパクト Riemann 面上の正則球束を調べる。正則点をもつ調和切断の存在から、球束の 1-凸性と付随射影空間束内の補集合の最適な中間擬凸性を導く。
完備Kähler多様体のKähler形式を有界な1形式の外微分として表す際、原始形式の最小ノルムを双曲性の強さとして定量化する。単連結性と大域的多重劣調和消尽関数を仮定し、その勾配の境界挙動から下界を与え、有界対称領域や強擬凸領域へ応用する。
複素多様体に埋め込まれた部分多様体の近傍を、有限Galoisエタール被覆上での線形化から元の近傍へ降下できる条件を調べる。コホモロジー消滅による一意性を利用し、hyperelliptic多様体やHopf多様体の近傍の完全・垂直線形化へ応用する。
複素解析化をind-Banach代数とcategorified localeの枠組みで再構成し、過収束・正則冪級数環をBerkovich空間の解析的構造として用いる。構成した開円板・閉円板の関数環の冪等性を基礎に、properな複素代数多様体に対する抽象的GAGA型同値を得る。
種数 $g>1$ のコンパクトRiemann面から、種数が1より大きいRiemann面への非定数正則写像を同型を除いて数える。著者は写像数を種数だけで抑える新しい明示的上界を示し、従来のChamizo–Fuertes上界に対して漸近的な改良を与える。
CR特異点をもつ実解析的部分多様体の局所正則分類を、BishopとMoser--Webster以後の標準形理論から概観するサーベイである。Bishop不変量による型分け、可逆力学系への翻訳、収束・発散現象と未解決問題を結び付けて整理する。
凝縮数学とanalytic ringの形式を用いて、コンパクト複素多様体の古典的複素解析・複素幾何を代数的かつ局所的な方法で再構成する講義録である。連接コホモロジーの有限性、Serre双対、GAGA、Hirzebruch--Riemann--Rochを、解析的積分に依存しない共通の枠組みへ置く。
Stein多様体に対するDemaillyのアフィン性判定法を、Ricciポテンシャルの特異集合を許す形へ拡張する。その応用として、任意の全Grauert管が余次元1の部分集合を除けばアフィン代数多様体で覆われることを示し、Burns予想に部分的な肯定解を与える。
非有界擬凸領域の有限D'Angelo型境界点でBergman核を局所化する定理を証明する。これを用い、実解析的境界を持つ有界擬凸領域のBergman計量がEinsteinであることと、その領域が単位球に双正則であることが同値だと示し、Cheng--Yau予想をこの範囲で解決する。
次数付き線形系列のKodaira–Iitaka次元と重複度を、付随する多重劣調和包絡の非pluripolar交叉で表す。さらにsupノルム単位球の体積比と部分Bergman核について計量的・点ごとの精密化を与え、新しい数値的次元を既存の不変量と比較する。
density propertyをもつStein多様体の中に、$\mathbb C^n$または多様体自身と双正則な非Runge真部分領域を構成する二つの方法を与える。従来のbasin-of-attraction法とpush-out法が通常Runge領域を生むという制約を破る十分条件と具体例を示す。
特異計量を備えた束に値をとる微分形式へHodge理論を拡張する近年の進展を概説する。円錐・Poincaré型計量の下でのHodge分解と正則性を軸に、延長定理、局所系のコホモロジー跳躍、log Calabi–Yau変形への応用を整理する。
定義可能なBergman計量が非正の定正則断面曲率をもつStein多様体では、Bergman空間が点を分離することを示す。負曲率の場合を球からpluripolar集合を除いた空間として特徴づけ、正曲率や定スカラー曲率では点分離が壊れる反例も構成する。
特異Hermitian計量を備えた直線束について、特異複素空間上の $L^2$-Dolbeault fine resolutionと大域的 $L^2$ 評価を構成する。これをGrauert–Riemenschneider標準層と結び付け、弱擬凸空間やコンパクトMoishezon空間におけるNadel型・Kawamata–Viehweg型消滅を導く。
$q$-convex with corners函数をもつ次元$n\ge4$の複素多様体で、その上位集合から全空間への正則直線束の一意拡張を示す。函数のexhaustivenessを仮定せず、$1\le q\le n-3$の範囲で制限写像 $H^p(X,\mathcal O^*)\to H^p(Y,\mathcal O^*)$ の低次数での同型を証明する。
コンパクトKähler多様体上の数値次元1の有効nef因子について、付随する直線束の半正値性を台の近傍のunitary flat性によって特徴づける。torsion型仮定のもとでは半正値性と半豊富性が同値となり、一般の半正有効因子には曲線へのファイブレーションと補集合上のHartogs延長との二者択一が成立する。
簡約複素Lie群 $G$ が作用するStein空間から $G$-楕円多様体への写像について、正則 $G$-写像の空間から連続 $K$-写像の空間への包含が弱ホモトピー同値であることを示す。補間と近似を含むパラメータ付き同変Oka原理であり、従来の等質空間の場合を大きく拡張する。
普遍被覆上で有界な原始関数を持ち、top self-intersectionが非零な実2次コホモロジー類を許すKähler位相的双曲性を導入する。この双有理不変な条件から、非単線織性、随伴束の有効非消滅、Kähler計量のスカラー曲率への定量的制約を導く。
コンパクトKähler多様体上で相対標準束の擬有効性、葉層の代数性判定、非単線織性判定を統一的に扱う。Bergman核による計量構成とLelong数の解析を用い、射影性に頼らない相対正値性と葉層の幾何を導く。
Stein空間を大域正則関数のFréchet代数へ送る反変関手が、有限次元性を仮定せず圏同値を与えることを示す。核心は任意のStein空間から$\mathbb C^2$への、全ファイバーが有限次元となる正則写像の構成と、Stein代数準同型の自動連続性である。
特異複素空間上の多重劣調和関数について、Demailly–Lelong数を極大イデアルのlog解消上の交点数として表す予想を証明する。これにより通常のslopeとの点ごとの比較を得て、商特異点の評価と二次元ADE特異点での鋭い評価も与える。
半正値Hermite計量をもつ正則線束の単位円板束がOka多様体となる条件を、因子補集合のStein性とdensity propertyで与える。同じ単位円束の外側はKobayashi双曲的となり、射影空間、Grassmann多様体、旗多様体を含む有理等質多様体へ適用される。
コンパクト複素多様体上の nef な $(1,1)$ 類や直線束について、解析的・代数的な「半正値性」が一致するかを整理するサーベイである。滑らかな半正値代表、半豊富性、正カレント、Monge–Ampère 方程式を結ぶ既知の結果と未解決問題を示し、nef が文字どおりの半正値性を必ずしも意味しない点を明確にする。
閉meromorphic 1形式とそれが定める余次元1葉層を統一的に解説し、留数・平坦meromorphic接続から指数定理、separatrix、特異点解消を捉え直す。新規成果として三次元射影多様体上のsemi-global separatrixの代数性判定、Kähler曲面上の自明な法束をもつ因子の二者択一、数値的自明な法束をもつ超曲面のStein補集合に対する次元制約を与える。
GromovのKähler双曲性をbigかつnefな類へ弱め、なお一般型性と整曲線の代数的退化が従うことを示す。適切な修正上の $L^2$ スペクトルギャップを核として、Kähler双曲多様体の特異部分多様体までLang予想型の結論を拡張する。