An asymptotic $Γ$-BMT inequality
日本語要約
滑らかな偏極複素三次元多様体上で、tilt半安定対象の第3 Chern指標を抑える漸近的Γ-BMT不等式を示す。標準束が偏極と数値的に比例する場合の弱いBG条件を導き、Calabi–Yau三次元多様体の非負階数DT不変量を階数1の不変量へ還元する。全面的なBMT予想を仮定せず、この還元に必要な評価を確保する点が主眼である。
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Vector bundles and sheaves
Bundles, coherent/reflexive sheaves, their moduli/invariants, or bundle-valued equations are principal objects.
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滑らかな偏極複素三次元多様体上で、tilt半安定対象の第3 Chern指標を抑える漸近的Γ-BMT不等式を示す。標準束が偏極と数値的に比例する場合の弱いBG条件を導き、Calabi–Yau三次元多様体の非負階数DT不変量を階数1の不変量へ還元する。全面的なBMT予想を仮定せず、この還元に必要な評価を確保する点が主眼である。
Ulrich束、aCM束、完備局所環上のsmall Cohen–Macaulay加群の非存在を、射影多様体の次数とChern数の比較から整理する。複素射影的な滑らかなm次元多様体と豊富かつ大域生成な因子について、完備切断環上のsmall Cohen–Macaulay加群の存在に必要な不等式を任意次元で示し、その違反から孤立特異点をもつ反例を得る。
接束のHarder–Narasimhan傾きとHermitian計量の平均曲率を結び付け、コンパクトKähler多様体の非単線織性を特徴付ける。単一のGauduchon計量に対する接束のHN非負性の下で、有理連結性、全共変テンソルの消滅、Campanaの不変量の負無限大条件が同値になることを示す。
Stein多様体上の特異Nakano半正値ベクトル束について、単調に減少する計量に対応するBergman空間の和集合が極限の空間で稠密になる条件を示す。一般にはexhaustionによる重みを加え、hyperconvexの場合は追加の重みを不要にする。
特異Hermitian計量の最適L²評価が幾何学的な部分正値性を導くかを調べる。(p,n)型では畳み込みによる滑らかな近似を、(n,p)型では複素部分空間への制限を用い、半連続性や連接性などの仮定の下で一様Griffiths部分正値性を得る。
正標数の代数閉体上で、任意の滑らかな射影曲面の指定された非常に豊富な偏極に対するUlrich束を構成する。高次元では弱Ulrich束の存在を示し、Frobenius順像によって大きな偏極倍数に関する結果を元の偏極へ戻す。Chow形式の行列式表示と曲面のコホモロジー表の錐にも応用する。
特異Hermitian計量の双対が局所可積分であるとき、(n,n)形式に対する最適L²評価から、ほとんど至る所で一致するGriffiths半正値計量の存在を示す。計量の半連続性を仮定せず、最適評価の意味でのNakano半正値性からGriffiths半正値性への含意を得る。
非商正規曲面特異点のWahl第二Chern数が零になるという予想に、曲線の積から構成する反例を与える。対角線と対合のグラフの収縮により負値を計算し、その値が下に有界でないことも示す。
コンパクトGauduchon・astheno-Kähler多様体上の正則ベクトル束について、Chern数の負値をHarder–Narasimhan型の不安定性で抑える鋭い不等式を示す。等号の場合には安定商の射影的平坦性が現れ、束が半安定でなければ底多様体の射影性まで従う。
コンパクトな複素球商から高次元の球商への正則はめ込みについて、法束が直線束の直和なら全測地的になることを示す。始域の複素次元を2以上とする一方、余次元の上限を課さず、法束の分解性を幾何的剛性へ結び付ける。
Hermitian束のChern曲率の縮約の比較から同じ定数で計量を比較できる条件を、曲率核内の平行部分束によって特徴づける。半正値の場合の障害を正確に記述し、完備Kähler基底上で束の階数に依存しない作用素評価と、曲率traceによる階数制約を与える。
射影直線上の9点以上の順序付き重み付きGIT商が、算術的複素球商のBaily–Borelコンパクト化として実現できないことを示す。各重みが0と1の間、総和が2という条件の下で、安定性の壁・捩れ・分岐を許し、商のFano性も要求しない。
非常に豊富な反標準束を持つ3次元以上の滑らかな複素Fano多様体は、例外ベクトル束の右直交圏から再構成できると主張する。構造層の直交圏を用いる場合には次元制限を取り除き、導来圏全体より小さい圏から多様体を決定する。
正規アフィン曲面・三次元多様体上で、次元と等しい階数のベクトル束をモチーフ的Chern類によって完全に分類する。代数閉体上で成り立ち、三次元では滑らかな閉点が生成するK群の部分とモチーフ的フィルトレーションを同定することが鍵となる。
滑らかな曲線上の族で、ファイバーのコホモロジー次元が一定となる条件を高次順像の捩れの消滅などで特徴づける。これをKähler極小モデル理論と組み合わせ、canonical特異点をもつ三次元の族や最大Albanese次元の族について多重種数の不変性を示す。対数的・高次コホモロジー的・一般化多重種数への拡張にも、それぞれ固有の仮定を置く。
標数0の任意の滑らかな偏極射影多様体で、tilt半安定対象の第3 Chern指標を判別式で制御する不等式を示す。次元3以上に共通する評価から、Calabi–Yau三次元多様体の任意階数DT不変量の階数1への還元と、明示的な定数誤差を伴うCastelnuovo型種数上界を得る。
コンパクト複素多様体上の正則ベクトル束の全空間が、指定した符号の双断面曲率を持つ完備Kähler計量を許す条件を調べる。非負の場合はユニタリ平坦性、厳密に負の場合はGriffiths負性と底の曲率条件で特徴づけ、非正の場合の逆は反例で否定する。
超楕円曲線の一般の完全線形系による射影空間への埋め込みについて、法束の半安定性の鋭い次元条件を求める。種数2では一般の非特殊な埋め込みの例外を四つに分類し、高い種数では次数と次元にまたがる問題を固定種数ごとの有限個の検証へ帰着する。
二次超曲面上の射影束として得られるFano四次元多様体について、量子接続の標準漸近解を充満例外集合のGamma切断と同定する。二つのNovikov変数を保った解析からGamma予想IIを示し、指定した点と位相でStokes行列と中心接続行列を決定する。
正の線束を持つ弱擬凸Oka多様体がGromovの意味で楕円的であることを示す。局所sprayの構成をAtiyah類の消滅へ帰着し、Oka近似と重み付きL²法で大域化する一方、正値性を外すとコンパクトKähler Oka多様体でも局所支配sprayが存在しない例を与える。
コンパクト複素多様体上の線束の高冪コホモロジーを、滑らかな曲率の最大階数rで評価する。階数一定性・正値性・大域的葉層・Kähler性を仮定せず全次数でO(p^{r+ε})を示し、端の次数では鋭いO(p^r)評価を得る。
標準束が捩れであるFujiki多様体と正則ベクトル束の対について、トレース零自己準同型束の第2コホモロジーの消滅から同時変形の非障害性を導く。より弱い非Kähler条件への拡張と、高次元Calabi–Yau多様体や複素トーラス上の障害例を併せて与え、束だけを変形する問題との違いを明らかにする。
射影空間上の豊富な直線束の直和に、Griffiths正値でありながら最高Chern形式が開集合上で負となるHermitian計量を構成する。反例は階数9以上で得られ、束の数値的正値性と、指定した計量のChern–Weil形式の点ごとの正値性との違いを明らかにする。
種数2以上の滑らかな複素射影曲線のHodgeモジュライ空間で、特殊化が固定成分を変えるとHeinloth重みが厳密に増加することを全階数で示す。安定なfull chainの次数比較を使い、階数4以上ではSimpson strataの閉包がstrata全体の合併になるというnestedness予想への反例を構成する。
無限体上の曲線について、行列式を固定した半安定束のモジュライスタックがA¹連結であることを、有理点の存在と同値にする。さらに線束に値を持つsymplectic束とquasi-parabolic symplectic束を扱う。半安定性を保つ族の修正を通して、通常の連結性より強いホモトピー的性質を調べる。
豊富な標準類 $K$ を持つ滑らかな射影曲面で、余接束のBridgeland半安定性が成り立つ偏極 $tK$ の範囲を具体的に評価する。twisted Gieseker半安定性を仮定した一般定理に加え、fake projective planeやfake quadricでより強い結果を得る。Chern数を用いて安定性の壁の位置を制御する研究である。
格子多面体の面積が各部分空間に集中しすぎないという条件から、余次元2の面の体積に関する必要条件を導く。トーリック接層の傾き半安定性とBogomolov–Gieseker不等式を凸幾何へ翻訳することで、滑らかな反射的多面体では具体的な体積下界を得る。
正標数の半安定曲面ファイブレーションについて、全空間がHodge Wittで特異ファイバーが2本以上なら、古典的係数 $g/2$ のArakelov不等式を回復する。底が射影直線の場合にはBetti数を含む強い評価を与える。標数5で特異ファイバーが4本の種数2の例を構成し、評価の鋭さも示す。
楕円曲線上の負次数の直線束から得られる線織曲面について、任意のKähler類に対応するcanonical extensionがSteinでないことを示す。接束はbigでも対称テンソルの環は有限生成でなく、従来の双有理的手法を直接適用できない。これにより、canonical extensionのStein性と接束のnef性を結ぶ予想が射影曲面で成立する。
種数2以上のコンパクトRiemann面上で、固定した安定な次数零のgraded Higgs束を極限に持つ平坦束の集合が、de Rhamモジュライ空間でZariski閉となることを示す。ランク2で知られていたSimpsonの閉性予想を任意ランクへ拡張する。コホモロジーの行列式直線束の接続を使い、一径数退化におけるfiltrationの延長を制御する。
Kähler曲面上で有界energyをもつHermitian–Yang–Mills接続のUhlenbeck収束を、解析的flat family内部の代数的収束として実現する。Hörmander型$L^2$評価を一様化し、smoothable familyの連続性と固定topologyの$\mu$-semistable sheafの有界性へ応用する。
曲線上の主束モジュライ空間に表現から付随するコホモロジー層の傾き安定性を、任意のample Cartier polarizationについて証明する。特に$\mathrm{SU}_C(n,L)$の接層は種数$g\ge2$で安定となり、特異なモジュライ空間も扱う。
コンパクトKähler曲面上の滑らかに自明な階数2束に、Chern類が消えながら非平坦な非Hermitian Yang–Mills接続を構成する。誘導される正則束と随伴束はいずれも安定であり、Chern類消滅と両側の安定性だけでは平坦性が従わないことを示す。
滑らかな射影トーリック多様体内の非分岐有理曲線族を法束の分裂型で層別化する。Cox構成から相対法束の明示的2項分解と相対コホモロジー射を作り、genericな分裂型、jumping locus、不均衡性の数値的十分条件を導く。
不変jet微分の最高階微分変数に関する主シンボルを使い、完全交差上のDemailly–Semple束が豊富でないことを示す。三階と四階について重みの特定の合同類に障害が現れ、Diverio–Trapani予想の「十分大きいすべての重み」という解釈を、その想定閾値で否定する。
Viehwegの弱正値性が、Noether環上の準射影schemeでもtensor・対称・divided・外冪により保たれることを示す。弱平坦束を導入して非射影多様体へ数値的平坦束の理論を拡張し、S基本群schemeとDemailly–Peternell–Schneider型の特徴づけを構成する。
二つの二次超曲面の滑らかな完全交叉を束のモジュライとみなし、非零冪零Higgs場を許すwobbly因子の補集合の基本群を決定する。root stackとorbifold混合組紐群を介して一般次元の表示を与え、特に次数4 del Pezzo曲面では生成元10個・関係式25個が最小であることを示す。
tame Deligne–Mumford曲線のベクトル束moduli stack、および滑らかな曲線上のtwisted vector bundleのmoduli空間から、元の曲線やtwisting classを復元するTorelli定理を証明する。Picard stack・偏極Jacobian torsor・twisted Hitchin構成を使い、任意の基礎体や複数のrank・degree範囲を扱う。
無限体上の射影的スタック曲線について、固定行列式・固定multiplicityを持つ生成層に関する半安定ベクトル束のモジュライスタックが $\mathbb A^1$-連結であることを示す。系として、滑らかな射影曲線上の固定放物型を持つ放物半安定束のモジュライにも同じ連結性を得る。
単連結性を仮定しないCalabi–Yau三次元多様体上で、安定かつ無限小剛体な接束の例と、半普遍変形空間が被約だが特異な多安定接束の例を構成する。前者はPeternellの提案した分類への三次元反例となり、後者の変形germは6変数内の九つの座標平面の和として明示される。
重み付き射影3空間の超曲面について、重み付き次数が重みの総和を上回る場合のtwisted/reflexive消滅を証明する一方、最小解消がbig余接束を持つ特異超曲面を構成する。同時解消を通じて、変形同値な滑らかな射影曲面の対称plurigenusが恒等的零から3次漸近増大へ跳ぶ例を得る。
射影多様体の有理連結性が、接束上の滑らかな一様RC正値Hermitian計量の存在と同値であることを示す。さらにこの正値性が滑らかな連結中心に沿うblow-upで保存されることを証明し、非Kähler曲面、とくにHopf曲面とKato曲面にも構成を与える。
Abel曲面上に、ampleであるが滑らかなGriffiths半正値Hermitian計量を持たない階数2正則ベクトル束を構成する。曲率障害の変形不変性と安定層モジュライにおけるamplenessの開性を組み合わせ、Griffiths予想への反例を与える。
滑らかな射影多様体上のベクトル束のGriffiths正値性を、十分正にtwistした切断のfirst jetに関する有限次元凸条件で特徴付ける。dual obstructionを行列値正測度で記述し、有限level条件と完全な評価写像の差を示すAbel曲面上の例も与える。
滑らかな射影曲線と被約境界の対において、nilpotent留数を持つ対数平坦束と、次数0の半安定対数Higgs束の間に完全圏同値を構成する。多安定対象に対するtame Simpson–Mochizuki対応を、非半単純なiterated extensionへ拡張する。
半正値線束の曲率退化点では古典的Bergman核展開が破れるため、異方的rescalingに基づく局所漸近を構成する。spectral gap仮定の下で局所化と急減衰を示し、decoupledまたは準斉次modelでは完全展開を得る。
単純正規交差因子に沿うKähler–Einstein錐計量から接束、Tian拡大、標準Higgs束のparabolic多重安定性を導く。結果として対 $(X,\Delta)$ の明示的なChern類に対するMiyaoka–Yau不等式を証明する。
有理等質Fano多様体 $X$ の標準束全空間 $Z=\operatorname{Tot}(K_X)$ 上でdHYM方程式を研究する。Calabi ansatzの対称性により完全非線形PDEを常微分方程式へ還元し、位相が明示的な開区間に入るときの大域解を構成する。
多重粗 $L^p$ 拡張性を持つ特異Finsler計量に対し、Bergman核型のDemailly近似を構成する。近似は双対計量へ各点かつ局所 $L^1$ で収束し、拡張性からGriffiths半正値性を導く新しい経路を与える。
Grassmann多様体内の一般の非退化有理曲線について、normal bundleがbalancedにならない数値的例外を分類するCoskun–Larson–Vogt予想を $G(2,4)$、$G(2,5)$、$G(2,6)$ で証明する。退化、接束のsplitting、標数2に由来する既知の障害以外に例外がないことを確定する。
自明な全equivariant Chern類とaffine独立なChern rootをもつrank $r$ のtoric vector bundleが、character twist後に次元高々 $r-1$ の有限個のtoric多様体のいずれかからのpullbackになることを示す。tropical toric bundleをBergman fanへのpiecewise linear mapとして扱い、permutohedronのflag decorationが作るfan coarseningを分類の核に用いる。
Picard数1の非常に一般の偏極K3曲面上で、任意の非自明な有限位数Brauer類をエタール局所自明な射影空間束として具体化する。その束をねじれ層のモジュライ空間における超Kähler収縮の例外軌跡へ組み込み、次元も制御することで、既知の個別構成を統一しperiod-index定理の新しい証明を与える。
正則ベクトル束の滑らかなHermite計量に対する$L^2$拡張指数を局所的に漸近展開し、Chern曲率が二次係数として現れることを示す。これにより拡張評価の鋭さからGriffiths正値・負値、部分正値性、平坦性を統一的に読み取れる。
擬有効直線束に対するDemailly--Peternell--SchneiderのHard Lefschetz定理を、単純正規交差因子に沿う対数微分形式へ拡張する。Poincaré型計量と乗数イデアルを組み込み、接束または因子直線束の正値性仮定の下で楔積写像の全射性を証明する。
代数曲面上で安定層どうしの拡大が安定になる条件と、安定層の極大部分層が定める精密化Segre層別を研究する。射影平面では線束に対応する各層が期待次元の既約集合であり、その閉包が入れ子になることを証明する。
滑らかな射影超曲面上の任意の連接層について、自由分解の行列因子化からChern指標をČech cocycleおよびJacobian環の元として明示する。この計算法を代数的サイクルの探索に応用し、次数33のFermat四次元多様体に対するHodge予想を証明する。
ampleまたはnefベクトル束のSchur類に対する正値性を、射影束のコホモロジーを模した抽象的次数環へ拡張する。適切な錐に関してKähler packageを満たす射影束環からSchur類のHodge--Riemann型関係を導き、滑らかな射影多様体上でも新しい不等式とmatroidのSchur係数の非負性を得る。
数体上の射影多様体にあるアデール的ベクトル束へ、射影化の普遍商直線束の交点数から数値的特性類を定義する。制御された算術模型の極限によりBogomolov--Gieseker型判別式の非負性を示し、曲線上ではDeligne pairingを用いて等号条件まで与える。
int-amplified自己準同型を持つ正規コンパクトKähler多様体の接層が弱正曲率を持ち、強い意味で擬有効となることを示す。kltの場合には準エタール被覆後の平坦なMRC fibrationを得て、一般の同変Kähler MMPに依存しない構造理論を与える。
通常の$\partial\bar\partial$-補題を満たすコンパクト複素三次元多様体上に、数値的平坦でありながら正則接続を一つももたない階数2ベクトル束を構成する。これはKähler・Fujikiの場合に成り立つ平坦性との対応が、通常の$\partial\bar\partial$-補題だけからは従わないことを示す反例である。
一般化Grassmann多様体上の完全可約斉次ベクトル束の一般切断の零点として得られる、Picard数1・指数1のFano四次元多様体を分類する。Küchleの古典型Grassmann多様体における分類を非$A_n$型へ拡張し、既知でなかった三族を取り出すとともに体積とHodge数を計算する。
強い意味で擬有効な接層をもつ特異コンパクトKähler多様体の大域構造を調べる。商特異点の場合、有限quasi-étale被覆の後に、複素トーラスのétale商を底とし有理連結なklt射影多様体をファイバーとする平坦射が存在することを示す。
potentially kltなコンパクトKähler空間上で、第一Chern類が消える擬有効層は、有限準エタール被覆後に反射的引き戻しが局所自由かつ数値的平坦になることを示す。安定層に対するHermitian平坦性と、特異Kähler空間上の平坦束の拡大に関するSimpson型定理を組み合わせ、射影多様体で知られていた判定をKähler設定へ拡張する。
任意標数の代数閉体上の滑らかな射影トーリック多様体について、接束が正階数の豊富な局所自由部分層を含めば射影空間であることを示す。同じ方法により、外積接束のコホモロジー非消滅から射影空間または低次元quadricを偏極込みで特徴づける。
小平次元が負の極小Kähler曲面上で、正スカラー曲率計量を含むKähler類の錐を決定する。線織面では全スカラー曲率が正という数値条件だけでは足りず、底曲線の種数と束の不安定性が追加の境界を生む。
正のHermite線束の高いtensor冪に対する正則torsionの漸近展開について、orbifold版と同変版の $\log p$ 項を特性類で明示する。同変版では冪指数を固定点集合の次元で制御し、その公式からArakelov幾何における同変算術的Hilbert--Samuel定理を導く。
すべての埋め込まれた射影多様体がUlrich層を持つかという問題に、滑らかな射影曲面の反例を与える。Picard数に依存しない数値的障害を導き、Hesse配置から得るHirzebruch--Kummer曲面上でその不等式に反する非常に豊富な偏極を構成することで、無限個の反例を得る。
安定束の直和として分解する曲線上の正則ベクトル束 $E$ について、$\mathbb{P}(E)$ 上のinvolutive type extremal almost Kähler計量の存在とCalabi extremal Kähler計量の存在が同値であることを示す。階数4で基底が楕円曲線または射影直線なら、$\mathbb{P}(E)$ は全Kähler類にextremal計量をもつCalabi dream manifoldとなる。
コンパクトRiemann面上のHiggs束について、Higgs–Demailly系が終端パラメータで滑らかなadmissible解をもつこと、Griffiths正のHitchin–Simpson曲率をもつこと、H-ampleであることの同値性を証明する。Higgs場と両立する商束構成により、Demailly–Pingali–Murakami法に欠けていたスカラー下界を得る。
二つの楕円曲線の積上の安定階数2束について、スペクトル二重被覆から作る近似Hermitian Yang–Mills計量が厳密解を全階で指数精度に近似することを示す。退化するKähler計量の下でも大域的 $C^0$ 比較を確立し、高階評価へ引き上げる。
Hartshorneが1966年に提起した豊富ベクトル束の二問題を解く。任意標数・非固有の場合にもテンソル積の豊富性を証明する一方、豊富線束の自己拡大は非固有曲面上で豊富とは限らないことを示す。
$\mathbb Q$-factorial な $\epsilon$-lc 弱Fano多様体に対し、反標準体積を orbifold 第二Chern類で抑える川又–Miyaoka型不等式を示す。Picard数やFano指数への従来の制限を除き、canonical extension の不安定性と葉層を結びつける。
滑らかな射影曲面上の直線束またはそのシフトがdivisorial Bridgeland安定性を失うことを、自己交点が負の有効Cartier因子から作る自然な部分対象が検出することを示す。さらにtwisted deformed Hermitian–Yang–Mills方程式に由来する数値的半安定性を、全整数スケールでのBridgeland安定性と同値にする。
単純正則ベクトル束を備えたコンパクトKähler多様体上で、Kähler–Yang–Mills方程式の滑らかな解の一意性と $\alpha$-K-energy の下方有界性を示す。証明はChenの $\epsilon$-測地線とKobayashi–Lübke不等式を用いる。
SNC因子をもつコンパクトKähler多様体上で、安定な正則放物型Higgs層に放物型Bogomolov–Gieseker不等式を証明する。さらに各安定直和因子の放物次数と積分第2放物Chern指標が消えるとき、因子の補集合上に元のfiltrationを正確に回復する多重調和計量が存在する。
あらゆる射影曲線への引き戻しが半安定であるにもかかわらず、判別式が消えない階数4のHiggs束を構成し、Bruzzoの曲線半安定性予想に反例を与える。非常に一般の平面5次曲線の2次対称積上で、行列式が自明かつ第2 Chern数が10となる明示的構成である。
正標数上の種数 $g\geq8$ の素Fano三次元多様体に、分解 $g=rs$ ごとに型 $(r,s)$ のMukai束が一意に存在することを示す。滑らかな反標準K3曲面とその完全交叉曲線のBrill--Noether一般性を確立し、正標数版Mukaiモデルの基礎を与える。
単純正規交差境界の補集合上の平坦束について、Deligne標準延長に付随する拡張Chern--Simons類が次数 $p\ge2$ でtorsionとなることを証明する。多重交差では同時分裂できないmonodromy weight filtrationを、全nilpotent作用素の単一weight filtrationとmulti-Rees構成で置き換える。
偏極された滑らかな射影5次元多様体で、K-polystableでありながらextremal Kähler計量をもたないという反例を構成する。通常のDonaldson--Futaki不変量によるK-polystabilityとcscK計量の存在を同値とするYau--Tian--Donaldson予想を否定し、uniformな安定性条件との隔たりを具体化する。
滑らかなK-semistable Fano多様体の各反標準次数で、切断空間の次元は射影空間のそれ以下であり、一つの次数での等号だけで射影空間を特徴づける。さらにK安定性より弱い接束の傾き半安定性だけで同じ結論を導き、漸近的な体積比較を有限次数ごとの鋭い比較へ量子化する。
滑らかな曲線上の生成線形系の線形安定性が、付随するsyzygy bundleの傾き安定性を導く条件を調べる。 一般曲線ではBrill--Noether理論を、偏極K3曲面上の曲線ではLazarsfeld--Mukai束とBridgeland安定性を用いて、Mistretta--Stoppino予想の新しい成立範囲を与える。
正標数のsmooth projective variety上で、stratified vector bundleのmonodromy groupを、その各段に現れるstrongly semistable bundleのmonodromyから近似する。Tannakian subgroupの増大列のclosureが元のstratified monodromyを回収することを示す。
コンパクトKähler多様体上のnefかつbigな類をadapted currentで表し、それに関するYang--Mills流の長時間存在とUhlenbeck収束を証明する。 極限を $\alpha^{n-1}$-Harder--Narasimhan--Seshadri filtrationの次数付き層上のadapted Hermitian--Einstein接続で同定し、Kähler類の場合のBando--Siu予想型結果を退化した類へ拡張する。
滑らかな4次元二次超曲面 $Q^4$ 上の階数2弱Fanoベクトル束を、直線束による捩りを除いて分類する。 分裂束、2種類のスピノル束、または $c_1=-H_{Q^4}$、$c_2=\alpha+\beta$ の既知の安定束だけが現れることを示す。
二つの横断的 Lagrange ファイブレーションをもつ $K3^{[n]}$ 型または OG10 型の射影超 Kähler 多様体から、積上の捩れ超正則ベクトル束を構成する。これを用いて OG10 型超 Kähler 多様体に対する Lefschetz 標準予想と、双有理なものの導来圏が同値になるという D-同値予想を証明する。
滑らかな射影完全交叉曲面を不変にする正則葉層について、許される次数を完全に決定する。これによりPoincaré問題の明示的境界を得るとともに、十分大きな次数では孤立特異点スキームを含む別の葉層が接束の大域自己準同型からちょうど生じることを示す。
canonical特異点を持つ階数1葉層では、葉層標準因子のMMPの出力が同型まで一意であることを証明する。一方、3次元余階数1葉層にはkltおよび一定のF-dlt条件下でフロップの存在を示し、階数1では古典的MMPにないフロップ非存在やbase-point-free型の病理も構成する。
幾何種数0の射影曲面上で、特殊な偏極から標準的なCayley–Bacharach拡大によって階数2の特殊Ulrich束を作ることへの非存在定理を証明する。一方、primary Burniat曲面では全ての偏極が非特殊であるため、安定な特殊Ulrich束が常に存在し、特殊なample類が現れる数値的な半直線も特定される。
数値的平坦な直像層を用いて、ファイブレーションがtorsorから作られる随伴ファイバー束であるための標数に依らない判定法を与える。これを反標準因子がnefな特異対へ適用し、正標数と複素数体の双方でAlbanese射の弱Beauville–Bogomolov分解と斉次性を導く。
特異Hermite計量から定まる高階の乗数部分加群層を、有限個のスカラー乗数イデアルへ還元する「有限多重劣調和Gramスカラー化」を導入する。一般の正値性を仮定せずに連接性と強開性を導き、解析的特異点の下でjumping numberとSkoda型周期性を構成する。
正規複素解析空間芽上の余次元1正則葉層について、葉の閉性と原点へ集積する葉の有限性から正則第一積分を特徴づける。曲面上の Mattei--Moussu 型定理を特異な周囲空間へ拡張し、追加仮定の下で高次元への延長と形式的第一積分からの正則第一積分の存在も導く。
複素射影平面上の次数 $d$ の余次元1正則葉層について、代数的重複度が最大値 $d$ で、特異点がただ一つとなる場合を特徴づける。局所特異点の Milnor 数と大域的な特異点数を結び、こうした葉層の不変直線および Hilbert--Mumford 安定性も調べる。
種数3以上の一般曲線上で、一般ベクトル束の射影束に付随する生成線形系の核束が安定となる十分条件を与える。階数・次数・切断空間の次元に明示的な不等式を課し、曲線の場合の Butler 予想から射影束の次元に関する帰納法で高次元へ進む結果である。
ample 線束に対する Steenbrink 消滅定理を、乗数イデアル層を組み込むことでコンパクト複素空間上の big 線束へ拡張する。特異 Hermitian 計量を適切に選び、対数的微分形式のコホモロジーが $p+q>n$ で消滅することを示し、nef and big の場合には乗数イデアルを式から除ける。
超曲面の各枝に少しずつ接するThullen型領域上のNakano半正値正則Hermitian束を、全空間上の反射的coherent解析層として拡張する。拡張に対応する切断には局所L²評価も伴う。非完備Kähler多様体上のL²解法と、高次元へ拡張する議論を組み合わせる。
ベクトル束を複素ファイバー束へ置き換え、切断に対する非線形Bochner–Kodaira–Nakano恒等式を構築する。Hamiltonian性とコンパクト性の下で、次数ゼロのHiggs切断と平坦切断の対応を示し、部分ファイブレーションと写像へ拡張する。
任意の体上の固有スキームについて、直線束の体積を定義する上極限が常に真の極限になることを証明する。さらに、有界導来圏の対象で摂動した漸近コホモロジーの増大率を、被約部分スキーム上の漸近コホモロジー関数とコホモロジー層の階数で表す。
射影束のネフ錐と擬有効錐が一致することから元の束の傾き半安定性を導けるか、という問題に明示的な反例を与える。$\mathbb P^2$ 上の $E=T_{\mathbb P^2}(-1)\oplus\mathcal O_{\mathbb P^2}$ は傾き不安定だが、$\mathbb P(E)$ は1斉次であり、Fulger–Langer の問いに肯定的に答える。
複素三次元多様体上の階数2 torsion-free層の孤立点特異点が担う局所第3 Chern類を、有限長の局所代数データとして調べる。変形不変性、境界球面上の束の位相的不変量とのparity対応、相対$K$理論的chargeとの一致を示し、Hermitian--Yang--Millsモジュライの境界現象へ応用する。
滑らかな偏極射影多様体 $(X,H)$ で接束の中間外冪 $\bigwedge^rT_X$ が $H$-Ulrich となる場合を調べる。論文は $X$ がFanoであることと反標準因子の交点数を決定し、Picard数1なら唯一の例がVeronese曲面 $(\mathbb P^2,\mathcal O_{\mathbb P^2}(2))$ であると分類する。
複素三次元多様体上の階数2ベクトル束が孤立点特異点をもつtorsion-free層へ退化するとき、代数的bubbling multiplicityがreflexive hullのExt-lengthの半分に等しいことを示す。この剛性からsmoothability障害と鋭い局所模型を導き、$\mathbb C^3$ 上の非平坦Hermitian--Yang--Mills bubbleを構成する。
標数0の層に、一般の正標数還元と反復Frobenius引き戻しで測る新しい正値性を導入する。半安定射のHodge束が従来のnef性より強い性質をもち、消滅定理、Chern指標の非負性、Fano多様体の像、曲線族のslope不等式へ応用できることを示す。
指定Hermitian--Yang--Mills tensor方程式へ向かうflowに放物型比較原理を確立する。適切な上下barrierの間に初期計量があるときの長時間存在と収束、および準正定値の場合の指数収束を導く。
指定Hermitian--Yang--Mills flowを、微分幾何的仮定ではなく層の次数条件の下で収束させる。極限は指定曲率tensor方程式を解き、Fano多様体や有理連結多様体の接束に対する存在・一意性へ応用される。
指定Hermitian--Yang--Mills方程式を各stepで解く離散反復から、安定正則vector bundleのHermitian--Einstein計量を構成する。正のHYM tensorをもつという仮定の下で滑らかな収束を証明し、Higgs bundleにも拡張する。
特異複素空間上のベクトル束に対して特異 Griffiths・Nakano 正値性を整備し、解消との対応と $L^2$ Dolbeault 理論を構築する。弱擬凸複素空間上で高次コホモロジーの Nakano–Nadel 型消滅を導く。
任意の正則ベクトル束に対する twisted Hermitian–Einstein 方程式の一意可解性を、傾きから定まる閾値以下で証明する。不安定束にも適用でき、近似 Hermitian–Einstein 評価と不安定度を右辺にもつ内在的 Chern 数不等式を導く。
Guillemin–Abreu形式を正則断面曲率・二断面曲率へ拡張し、複数のトーリックKähler多様体を統一的に扱う。Hirzebruch多様体のextremal計量の正曲率と、高階数ベクトル束の全空間上の完備scalar-flat計量を得て、$2k=n+1$ がRicci-flat条件になることを示す。
cusp因子と有理parabolic重みをもつ対数対で、parabolic Bogomolov–Gieseker等号から複素ballへのperiod mapを構成する。一般の重みでは分岐した複素双曲構造となり、$q_i=p_i-1$ の標準重みで厳密なorbifold ball一意化となることを示し、逆方向も確立する。
Poisson Fano多様体でPoisson構造の階数が落ちる退化軌跡について、Bondal予想を5次元で証明する。より一般に奇数次元の劣最大退化軌跡へ下界を与え、葉層の代数的可積分性、modular residue、Pfaff場のコホモロジー制約を組み合わせる。
可解領域の境界にあるコホモロジー類に対し、一般化Monge--Ampère方程式と超臨界deformed Hermitian--Yang--Mills方程式の弱解の存在・一意性を示す。さらに対応する幾何学的フローがカレントの意味で弱解へ収束することを証明し、境界で失われる滑らかな可解性を非多重極積で補う。
通常の標準因子と葉層の標準因子を混合した随伴葉層構造について、$t$-K半安定性がlog canonical特異点を強制することを示す。さらにCalabi--Yau型・一般型・Fano型における安定性とklt性の対応を確立し、Odakaのflag ideal法を葉層設定へ拡張する。
Campana--Păunによる対数余接束の傾きと対数標準束の正値性の結果を、projective coarse moduli spaceを持つ滑らかなproper Deligne--Mumfordスタックへ拡張する。正の傾きを持つ葉層の代数性を確立し、bigなViehweg--Zuo型部分層から対数標準因子のbignessを導く。
Higgsベクトル束に局所的正値性を測るSeshadri定数を導入し、Higgs豊富性の判定、曲線への制限による計算、曲線上での最小Higgs傾きとの一致を示す。通常のベクトル束の理論を、Higgs商を記録するGrassmannスキームへ移す研究である。
単純正規交差slc対からなる高次元の族について、pluricanonical直像の部分層の第一Chern類を対数標準類と分岐で抑える有効なArakelov型不等式を証明する。曲線上では鋭い評価となり、good minimal modelを持つ一般ファイバーのIitaka体積にも上界を与える。
Higgs場が零のとき通常のベクトル束の豊富性に戻るよう、Higgs豊富性の定義を修正する。新定義に対し、全ての曲線への引戻しとHiggs商の次数を一様に下から抑えるBarton--Kleiman型判定を証明する。
正規射影多様体上の階数 $r$ の葉層について、葉層に接する有理曲線を作るbend-and-break不等式の定数を従来の $2r$ から最適値 $r+1$ へ改善する。十分一般の完全交叉曲線と $K_{\mathcal F}$ の負性の下で明示的な次数評価を与え、積射影空間の例で定数の最適性も示す。
Riemann面上の分数量子Hall状態で、$m$ 個の準正孔配置を曲線の対称冪で動かして得る正則ベクトル束を構成する。Grothendieck–Riemann–RochによりChern指標を計算し、完全充填時の射影的平坦性との整合、低種数でのBerry曲率との一致、多層系への一般化を示す。
同じKähler多様体列がCalabi–Yau極限を一つ持つなら、別の複素多様体極限もKählerであることを変形理論とHodge理論から示す。Weil–Petersson距離とBeltrami微分の比較を核に、K3曲面のKähler性、bounded periodを持つhyperkähler極限、K3上の安定層モジュライへ応用する。
安定極小モデルのモジュライスタックに対し、許容的な族が固定された底上で変形同値を除いて有限個になることを示す。対数Higgs層から得る定量的Arakelov型不等式が、Hom-stackの有限型性と高次元Shafarevich有界性を支える。
偏極klt良極小モデルのモジュライ空間の正規化が、任意の小平次元で準射影スキームになることを示す。核心は、非正規・非固有な底上の局所安定族について、Gabberの拡張定理を用いて直像層の弱正値性を確立する点にある。
最大変動を持つ正規射影的安定族について、次元固定かつ補間随伴体積が上から有界なら全空間が双有理有界となることを示す。より強い葉層版の有界性と、代数的可積分葉層に対する補間log canonical thresholdのACCが核心である。
Higgs束とその正則切断からなるHiggs対にτ安定性を導入し、Higgs束版vortex方程式とのKobayashi–Hitchin対応を定式化する。曲線上では適切なτのもとでモジュライの滑らかさ、階数2のPoincaré多項式、安定Higgs束モジュライへのファイブレーションを調べる。
滑らかな射影曲面上の線束について、dHYM計量の存在とBridgeland安定性の「大スケール極限」を比較する。Arcara–Miles予想を仮定し、一般のKähler類では両者が同値となることを、toric曲面に限られていた観察から任意の射影曲面へ広げる。
曲線上の有限射 $f:Y\to X$ に対する代数 $f_*\mathcal O_Y$ のHarder–Narasimhanフィルトレーションを、射影束内の因子や完全交叉という具体的な場合に計算する。順像を対称冪へ結び付けることで、計算しにくい標準フィルトレーションを元のベクトル束の不安定性から記述する。
複素代数多様体上の葉層に対する極小モデル・プログラム(MMP)を、特異点、随伴、曲面上のMMP、三次元フリップという流れで整理するサーベイである。葉層標準因子 $K_{\mathcal F}$ が通常の標準因子に似て振る舞う範囲と、特異点解消や半豊富性が破綻する葉層固有の障害を対比し、bend-and-breakと極小モデルの存在を中心課題として提示する。
コンパクトKähler多様体上の正則ベクトル束が一様弱RC正値なら正の平均曲率を持つHermitian計量を構成でき、特に接束がこの条件を満たせば多様体は射影的かつ有理連結となる。従来の一様RC正値性より弱い仮定でYangの結果を拡張し、射影化上の線束の曲率から直像束の平均曲率へ移す仕組みを与える。
コンパクトHermitian多様体上のHiggs束について、ある計量のHermitian–Yang–Mills–Higgsテンソルが正定値なら、任意に指定した正定値Hermitianテンソルを曲率縮約として持つ計量が一意に存在する。比較定理を一意性の核とし、可積分Higgs束に対する定量的Chern数不等式も導く。
射影Hyper-Kähler多様体の分類を見据え、Lagrangianファイブレーション、安定層のモジュライとatomic sheaf、導来圏という三つの近年の展開を結び付けて概観する。特異Hyper-Kähler多様体と解析的変形も視野に入れた、講義録形式のガイドである。
nefかつbigな類に関する斜率多安定性と、ample locus上の特異なHermitian–Yang–Mills計量の存在・一意性を対応させる。 特異Kähler–Einstein空間への応用と、Bogomolov–Gieseker等号から射影平坦性を導く結果も含む。
Schur functor $S_aE$ の正値性がpartitionのdominance順序に沿って $S_bE$ へ伝播する原理を、ampleだけでなく$k$-ample、semiample、nefへ拡張する。Littlewood–Richardson則の共通構造によって、これらを一つの「algebraic property」として扱う。
Fano型多様体の接層が二つの非零な因子に分裂するとき、各因子が代数的葉をもつ可積分分布になることを示す。さらに有限準エタール被覆上で、この無限小分解が多様体の積分解へ持ち上がる。
特異計量を備えた束に値をとる微分形式へHodge理論を拡張する近年の進展を概説する。円錐・Poincaré型計量の下でのHodge分解と正則性を軸に、延長定理、局所系のコホモロジー跳躍、log Calabi–Yau変形への応用を整理する。
捩れなし層の代数的接錐を、滑らかな点のblow-up付値から準正則付値へ拡張する。 実数次数付き加群の斜率安定性とHarder–Narasimhan filtrationを構成し、最適延長の存在と本質的一意性を示す。
任意の複素滑らかな射影多様体 $X$ について、導来圏 $D^b(X)$ にBridgeland安定性条件が存在することを示す。楕円曲線の積上の安定性条件を有限射で射影空間へ降ろし、さらに閉埋込みを通じて一般の $X$ へ誘導する構成である。
特異Kähler–Einstein計量をもつ標準係数のlog Fano対について、任意のstrictly adapted morphism上の適合接層と適合canonical extensionが偏極 $f^*c_1(X,\Delta)$ に関してpolystableであることを示す。この安定性を既知の等号場合の議論と組み合わせ、orbifold Miyaoka–Yau等式を満たす対を射影空間の有限商として特徴づける。
compact Kähler klt空間およびその正則部分上で、Chern類が消えるpolystable Higgs層とsemisimple局所系の非可換Hodge対応を確立する。応用としてorbifold Bogomolov–Gieseker不等式の等号場合を特徴づけ、big標準因子をもつ射影klt多様体のcanonical modelに球商によるquasi-uniformizationを与える。
商特異点を余次元2まで許すcompact Kähler空間上のstable reflexive sheafについて、orbifold Bogomolov–Gieseker不等式と等号の場合のprojective flatnessを証明する。第二orbifold Chern類を特異集合から離れた微分形式の積分で表し、標準類が数値的自明なklt Kähler多様体に対する複素トーラス商の解析的特徴づけへ応用する。
Campanaの特殊C対について、適合1形式で測る増大不正則度が次元以下になることを示す。局所一意化可能なコンパクトKähler対または射影的dlt対を扱い、通常の滑らかな射影多様体でも有限エタール被覆を越える強化を与える。
余次元2で商特異点をもつコンパクトKähler多様体上の反射的層に、オービフォールド修正を介して1次・2次のホモロジー的Chern類を定義する。層がKähler類に関して安定ならば、これらのChern類に対するBogomolov–Gieseker不等式が成り立つ。
klt特異点をもつコンパクトKähler多様体上の安定反射層について、orbifold Chern類のBogomolov--Gieseker等号成立を特徴づける。第1・第2 orbifold Chern数がともに消えることと、有限準étale被覆後の反射的引き戻しがunitary flat束になることが同値である。
代数閉体上の滑らかな射影曲面が2-tilting束をもつことと、弱del Pezzo曲面であることの同値を任意標数で示す。一般次元ではd-tilting束の存在から反標準束の半豊富性とbignessを導き、反標準環の非可換crepant解消へ応用する。
射影空間上の階数2トーリックtorsion-free層のChern類を計算・処方する構成法を与え、Hartshorne予想の半安定な場合をsmoothableな半安定トーリック層の非存在問題へ帰着する。反射的層のChern多項式とelementary injectionによる反復構成が中心である。
Hodge–Riemann双線型関係と半安定層のBogomolov不等式を同時に一般化する正のコホモロジー類のpairを導入する。Schur類からなる広いクラスで一般化不等式を証明し、偏極が動くときの半安定torsion-free層の有界性と有限型モジュライへ応用する。
$c_1=0$を満たすコンパクトklt Kähler多様体が、有限quasi-étale被覆の後に複素トーラス、既約Calabi--Yau多様体、既約holomorphic symplectic多様体の積へ分解する定理を解説する講義録である。滑らかな場合のholonomy論が特異点上で直接使えない障害と、それを層の安定性・葉層の代数的可積分性で克服する道筋を示す。
普遍被覆上で有界な原始関数を持ち、top self-intersectionが非零な実2次コホモロジー類を許すKähler位相的双曲性を導入する。この双有理不変な条件から、非単線織性、随伴束の有効非消滅、Kähler計量のスカラー曲率への定量的制約を導く。
一般のコンパクト複素orbifoldの連接解析複体にBott–Chern値Chern指標を構成し、埋め込みに対するRiemann–Roch–Grothendieck公式を示す。大域的な局所自由分解を仮定せず、固定群が変化する埋め込みも扱う。
Frobenius半正値性を満たす半安定層について、高次Chern指標を制御するBogomolov型不等式を証明する。Frobenius引き戻しに対する漸近Riemann–RochとLangerの大域切断評価を結び、三次元多様体などのChern指標へ具体的な応用を与える。
コンパクトKähler klt空間の正則部分上の反射的Higgs層に対する一般化Bogomolov不等式を確立し、全ての極小Kähler klt空間にorbifold Chern類のMiyaoka–Yau不等式を示す。Gauduchon orbifold上のHiggs orbi-bundleに$L^p$近似臨界Hermitian構造を構成する解析が中心となる。
Fujiki class Cの全空間からの固有ファイブレーションが局所Moishezonになる条件と、コンパクトKähler全空間からのファイブレーションが局所射影的になる条件を与える。整数2次コホモロジー類から指数完全系列で線束を作り、一般ファイバー上のbig性または各ファイバー近傍でのample性を非Kähler locusと特異Demailly–Păun定理で確立する。
ampleベクトル束のChern数に有効な下界を与え、nefベクトル束のChern数が分割の優越順序とは逆向きに並ぶことを示す。組合せ論的順序を正値性理論へ持ち込み、コンパクト等質複素多様体では全Chern数が正か全て消えるかという同時正値性も証明する。
標数0の代数閉体上で、Higgs 層の傾き半安定性と曲線半安定性が基礎体拡大で保たれることを示し、H-nflat Higgs 束の Chern 類消滅予想を複素数体上へ帰着する。さらに複素 Jacobian 楕円曲面では、H-nflat locus の極限を冪零 Higgs 束へ落とし、その Higgs 場が消えることから予想を証明する。
複素射影空間の超平面配置の交叉posetだけから二次形式$Q$を定義し、安定な重み付き配置では$Q\leq0$となることを示す。対数解消上の放物的束にBogomolov–Gieseker不等式を適用し、Hirzebruchの直線配置条件を高次元へ拡張する組合せ論的不等式を得る。
コンパクトKähler多様体上の正則葉層について、接束の数値的平坦性からambient接束と普遍被覆の積分解、葉のEuclid一意化、標準束のtorsion性を導く。二次元葉層の構造定理を正則Poisson構造へ応用し、低次元射影多様体で大域的Weinstein分解を得る。
射影多様体 $X$ の対称テンソル代数と余接束のaffinizationを調べ、その写像が双有理となる条件を接束 $T_X$ のbig性で特徴づける。さらに得られるaffine schemeがsymplectic varietyとなる条件を $\mathbb{P}T_X$ のFano type性で特徴づけ、トーリック多様体などに具体例を与える。
滑らかなFano多様体の接束について、nef性からbigかつsemiampleであることを導く豊富性型主張を扱う。ただしv2は証明のgapによって主定理の証明が無効であると明記しており、以下は撤回告知を含むIntroductionの主張と構想の記録であって、確立済み定理の紹介ではない。
代数幾何と複素幾何の双方で、傾き半安定な連接層のモジュライ空間が存在するための古典的・近年の結果を整理するサーベイである。安定性、族の有界性、モジュライ関手とスタックから空間の構成までを、関手的側面に重点を置いて結ぶ。
Campanaの幾何的orbifoldであるC-pairを複素解析的設定で体系化し、特異な場合にも適した射の概念を構成する。adapted reflexive differentialの引き戻しを基準にすることで、滑らかな場合の既存概念と整合しつつ、関手性とMMPとの相性を得る。
勾配半安定なベクトル束の射影化が断熱的Kähler類でcscK計量をもつための必要十分条件を与える。単純で次数付き対象が局所自由な束では、新しい「断熱的勾配安定性」がcscK計量の存在、さらにK安定性と同値になる。
曲率カレントを直接使いにくい特異Hermite計量について、$\omega$-トレース正値性を近似を伴う形で定式化する。Griffiths半正値性との同値性、双対束の正則切断の消滅、および接束への仮定から射影性と有理連結性が従うことを示す。
余次元2で商特異点をもつコンパクト複素解析多様体に対し、商特異点のみをもつ空間からの射影的双有理射を構成する。逆写像の不定値集合を余次元3以上に抑えることで、コンパクトKähler多様体上の安定反射的連接層に対するオービフォールドChern類のBogomolov–Gieseker不等式へ応用する。
4次元以上の複素射影多様体上で、接束が数値的射影平坦な正則余次元1葉層を分類する。有限エタール被覆の後に現れる射影直線束、アーベル多様体上の線形葉層、曲線上のアーベルスキームなどの構造と、標準因子が豊富な残余の場合を切り分ける。
半正値Hermite計量をもつ正則線束の単位円板束がOka多様体となる条件を、因子補集合のStein性とdensity propertyで与える。同じ単位円束の外側はKobayashi双曲的となり、射影空間、Grassmann多様体、旗多様体を含む有理等質多様体へ適用される。
滑らかな射影多様体 $X$ の接束の対称冪の大域切断をまとめた次数付き代数 $S(X)$ を研究する。具体例を計算し、そのKrull次元に鋭い上界を与え、非単線織多様体で接束が擬有効となる場合の構造を予想する。
特異Hermite計量を持つ線束に値を取るカレントに対し、通常のHodge理論と特異計量の $L^2$ 理論を補間する一般化 $\partial\bar\partial$ 補題を証明する。これを用いて、単純正規交差対を対象とする藤野の単射性定理を射影的場合からコンパクトKählerの場合へ拡張する。
射影空間や一般のFano超曲面に、高種数かつ高次数の曲線で法束が安定になるものを構成する。次数が周囲の射影空間の次元より低い超曲面では、算術条件の下で半安定性を得る。法束の傾きが整数の場合に限られていた従来の構成を広げる結果である。
滑らかなFano三次元多様体の接束から作る標準拡大がアフィンであるなら、元の多様体は有理斉次多様体であることを示す。Picard数1の核心は次数5のdel Pezzo三次元多様体 $V_5$ の標準拡大がSteinでないことの証明であり、接束の正値性とMori理論を複素解析的条件へ結び付ける。
コンパクトKähler多様体の接束がnefなら、その任意の標準拡大がSteinであることを示す。証明はnef接束をもつ多様体のAlbanese写像による構造分解と、標準拡大のファイバー積表示を用いる一方、逆向きについて半安定束から生じる高種数曲線上のルールド曲面では標準拡大がSteinにならないことも示す。
特異Hermitian計量をもつ正則ベクトル束に非多重極積とChern類を構成し、$\mathcal I$-good特異性に対するChern–Weil公式を確立する。解析的なChernカレントをb因子およびRiemann–Zariski空間上の交叉理論と結び、混合Shimura多様体への算術交叉理論を見据えた枠組みを与える。
正規Kähler多様体上の安定反射層に許容Hermitian–Yang–Mills計量が一意に存在するという特異Donaldson–Uhlenbeck–Yau定理を、多重偏極を含む形で証明する。そこから余次元2で滑らかな場合のHitchin–Kobayashi対応と、解消上のdiscriminantによるBogomolov–Gieseker不等式・等号条件を導く。
第2 Chern類の消滅を、余接束のnef性と標準束の数値次元が0または1であることによって特徴づけ、その場合のコンパクトKähler多様体に対してabundanceを証明する。射影的な場合には、余接束のFujita分解を用いて飯高ファイブレーションの局所自明性とファイバーの変動を記述する。
複素偏極Hodge構造の変動が正規交差境界で退化するとき、Hodge filtrationとDeligne拡張の交わりが局所自由になることを示す。この延長定理を基礎に、周期写像の正則延長・水平性と一変数での指数的距離評価を含む冪零軌道定理の主要部分を複素の場合へ拡張する。
コンパクトKähler多様体の余接束について、正規化した数値次元と小平次元の一致を予想し、いくつかのクラスで検証する。特にklt特異点と消える第一Chern類をもつ多様体の滑らかなモデルでは、両次元を有限エタール被覆の最大不正則度により明示的に計算する。
種数2以上の $p$ 進曲線上で、幾何的étale基本群の有限次元 $p$ 進表現と、潜在的に次数0の強半安定還元を持つHiggs束との圏同値を構成する。これはFaltingsの $p$ 進Simpson対応予想に対する部分的な実現であり、対応するHiggs束が次数0の半安定束となることも示す。
正規コンパクトKähler多様体上の反射層に対し、特異集合を許すHermitian計量とHermitian–Yang–Mills計量の存在を扱う。解消上で退化するKähler計量に一様Sobolev不等式が成り立つという予想を仮定し、安定反射層の許容可能Hermitian–Yang–Mills計量とBogomolov–Gieseker型不等式を導く。
コンパクトKähler多様体から滑らかな超曲面を除いた空間がSteinとなるための必要条件を調べる。Stein補集合なら超曲面の法束が擬有効であることを示し、接束の標準拡大の補集合へ適用して、低次元多様体のMori収縮や構造を強く制限する。
射影多様体 $X$ とvery ample線束 $L$ から作るGauss写像の普遍商束のChern類 $\sigma_k(X,L)$ により、余次元2・3で射影空間へ埋め込めることを特徴づける。$\sigma_3=0$ と $\sigma_4=0$ がそれぞれ所望の余次元低下を導くことを示し、超曲面の場合の先行結果を拡張する。
標数を問わず、接束が斜率半安定でChern類が数値的に消える滑らかな射影三次元多様体に対し、Bayer–Macrì–Toda型Bogomolov–Gieseker不等式を証明する。これによりBridgeland安定性条件の存在を得て、Reider型消滅定理とFujita予想を導く。
非常に豊富な偏極をもつ射影多様体に対する鋭いChern類不等式と、nefベクトル束のChern数の下界を与える。超曲面を特徴付ける等号条件、逆Miyaoka–Yau型不等式、非負双正則断面曲率をもつKähler多様体の分類へ応用する。
捩れ多重標準束の直像に対する曲率の劣調和的正値性を確立し、安定な対称冪をもつChern類零の正則葉層の葉が代数的になる条件を与える。直像の行列式の曲率評価が、葉層のtautological束とHermitian flatnessの二者択一を導く。
豊富なベクトル束の次数 $d-2$ のSchur類がHard Lefschetz性とHodge--Riemann双線型関係を満たすことを証明する。これにより高階数版Khovanskii--Teissier不等式を含む特性類不等式が得られる。
射影多様体上のHermitian--Yang--Mills接続のモジュライに対し、ideal connectionを加えたゲージ理論的コンパクト化を構成する。Gieseker--Maruyamaコンパクト化と傾き半安定層のコンパクト化から比較写像を作り、ゲージ理論的空間に複素解析空間、さらに代数空間由来の構造を与える。
複素射影多様体上で、任意のKähler類に関してGieseker--Maruyama半安定な階数二の層をパラメータ化するproperなgood moduli spaceを構成する。非有理偏極では従来の大域GITが使いにくい問題を、局所sliceとArtin stackの存在判定で解決する。
tame harmonic bundleに対応するフィルター付き正則特異Higgs束について、Higgs場の核に含まれる部分層の双対が弱正値になることを示す。Fujita–Kawamata–Zuo半正値定理を一般化し、無限モノドロミー局所系をもつ準射影多様体の対数余接束の正値性へ応用する。
Bott–Chernの意味で非負なHermiteベクトル束について、Schur型のChern形式が強非負となることを示す。そこから全Chern数の非負性と二つの特別なChern数による上下界を導き、斉次複素多様体や複素トーラスへ正則浸入する多様体へ応用する。
高次元射影多様体上の層について、可動曲線類に関する傾き半安定性を用いてwall-crossingの病理を避ける。完全交叉曲線が定める傾き安定ベクトル束のモジュライに、Donaldson--Uhlenbeck型の射影的コンパクト化を構成する。